FireblocksがBNY Mellonらから約145億円の資金調達
デジタル資産カストディのファイヤーブロックス(Fireblocks)がCoatue、Ribbit、Stripesが主導し、BNY MellonとSVB Capitalが戦略的投資を行うシリーズC資金調達ラウンドで、約145億円(1億3,300万ドル)を調達したことを発表した。
今回の資金調達により、ファイヤーブロックスはこれまでに累計約200億円(1億7,900万ドル)を調達し、業界で最も資金力のあるデジタル資産関連のカストディ企業にとなったようだ。
リリースで「Fireblocksが2018年に最初に始まったとき、Galaxy DigitalとGenesis Global Trading(DCG)私たちの最も初期の採用者の一つでした。それ以来、私たちは長い道のりを歩んできました。この3年間で、私たちは200人以上のお客様の数百万のウォレットを確保し、約44兆円(4,000億ドル)のデジタル資産を送金し、業界で最も吟味されたソリューションとなっています」と説明している。
さらにリリースで「BTCの時価総額が1兆ドルを突破したことで、デジタル資産や暗号へのハイレベルな移行が世界中で本格化していることがこれまで以上に明らかになってきました。
このような変化の中で、銀行やフィンテックは、デジタル資産の商品やサービスを可能にするために、顧客や投資家からの圧倒的な要求に直面しています。モルガン・スタンレーのような銀行が暗号資産への支持を表明し続ける中、あらゆる規模の金融機関が業界とともに進化することが求められています」とも説明している。
ファイヤーブロックスのCEOであるマイケル・シャウロフ氏は「フィンテックや銀行は、顧客の資金を安全に管理するための専門的な保管・決済インフラだけでなく、新たなデジタルサービスを可能にするプラットフォームを必要としています。当社は銀行になる予定はありませんが、当社のインフラは全く新しい時代の金融サービスに最適であると信じています。
彼らの財政的な支援は、長期的な安定性、技術的な優位性、そして指数関数的に増加する顧客ベースへのサービス提供を保証するものです」とコメントしている。
BNY Mellon銀行のアセット・サービシング担当チーフ・エグゼクティブ・オフィサー兼デジタル部門責任者であるローマン・リーガルマン氏は「デジタル資産と伝統的な資産の橋渡しをする製品を開発することは、カストディの未来にとって基盤となるものです。
膨大なデューデリジェンスと市場調査の結果、ファイヤーブロックスは、デジタルアセットサービスをサポートする安全な技術を提供するマーケットリーダーであると認識しています」とコメントしている。
編集部のコメント
アメリカBNY Mellon銀行はビットコインのカストディーサービスを2021年中に開始することを発表しています。先日、BNY Mellonのカストディ業務はファイヤーブロックスが担うと発表されていました。
このようにこれまでBNY Mellonとファイヤーブロックスは連携を進めてきていて、BNY Mellonが出資する形に至ったのだと思います。
またファイヤーブロックスはフェイスブックらが開発するステーブルコインDiem関連のカストディも行っていることが明らかになっています。
記事:【取材】フェイスブックのディエム(Diem)を選んだ理由(ファーストダグCEO ラン・ゴルディ/First DAG Ran Goldi)
参考:$133M Series C: Fireblocks is here for the long run
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStocks/kentoh・dalebor)