デジタルカレンシーが子会社グレースケールのビットコイン投信株式を2億5000万ドル分購入へ
米暗号資産(仮想通貨)系ベンチャーキャピタルであるデジタル・カレンシー・グループ(DCG)が同社の子会社である暗号資産運用会社グレースケール(Grayscale)の金融商品であるグレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)の株式を最大で2億5000万ドル(約270億円)分購入する計画を3月10日に発表した。
プレスリリースによると、DCGは購入資金に手元の現金を使用し、証券取引所法に準拠して公開市場でGBTCを直接購入するとのこと。
GBTCは公開市場で取引される株式であり、適格投資家から調達した資金でビットコインを買い入れる仕組みとなっているため、その価格はビットコインの市場価格を反映している。
しかしDCGの子会社である米ブロックチェーンメディアCoinDeskによると、直近数週間のGBTCの価格はビットコインの価格とは乖離しており、信託で保有しているビットコインの価格よりも割安価格でGBTCが取引されているとのこと。そこでGBTCの発行済み株式数を減らしながら株式への需要を創出し価格を上昇させることを目的として、DCGが株式の買戻しを行うとのことだ。
なおグレースケールはGBTCがビットコインの市場価格を15%下回る価格で取引されたのち、GBTCの新規受付を停止している。
編集部のコメント
デジタル・カレンシー・グループ(DCG)は2015年に設立された暗号資産系のベンチャーキャピタルです。現在175社以上のブロックチェーン関連企業の支援を行っており、子会社にはジェネシス(Genesis)、グレースケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)、コインデスク(CoinDesk)、ファウンドリー(Foundry)、ルノ(Luno)があります。
グレースケール・インベストメンツは2013年に設立された暗号資産運用会社です。適格投資家に向けて、従来の証券と同様の形で暗号資産へのアクセスを提供しており、現在421億ドル(約4.5兆円)以上の資産を運用しています。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(imaes:iStocks/KrulUA・LongQuattro)