NRIがKomainuへ2億円出資
株式会社野村総合研究所(NRI)がデジタルアセットのカストディアンであるKomainu Holdings Limited(コマイヌ)への出資契約を1月15日に締結していたことを3月9日に発表した。NRIの出資金額は2億円で、出資比率は2.1%だ。
Komainuはこの資金調達ラウンドで、エルウッド・アセット・マネジメントのアラン・ハワード(Alan Howard of Elwood Asset Management)、ギャラクシーデジタル(Galaxy Digital)、ノイア・キャピタル(NOIA Capital)から約27億円の調達を行なった。またKomainuの合弁創業企業である野村証券、レッジャー(Ledger)、コインシェアーズ(Coinshares)の3社も出資割合を増やした。
NRIとKomainuは両社の事業拡大に向け、デジタルアセットのカストディサービスに関連した業務アプリケーションを共同で開発することにも2月25日に合意している。
Komainuは、HSM3(ハードウェア・セキュリティ・モジュール)を活用した革新的な暗号鍵管理技術と、金融機関における資産管理プロセスを融合することで、強固なセキュリティ・ガバナンスと高度な柔軟性の両立を実現したカストディサービスを提供している。Komainuのサービスは英国当局であるJFSCからも承認されており、金融機関が求める品質に対応したものとなっている。
この資本提携により、NRIとKomainuの双方がもつ技術力、既存および今後開発するソリューション、人的リソースなどを相互に活用して、世界の金融機関にデジタル時代に即した信頼性の高い資産運用インフラを提供していくことが可能となる。
そしてKomainuは今後カストディ対象資産やサービスの拡張を計画していて、NRIはアプリケーションの提供を通じてKomainuの成長を加速させていきたいと考えているようだ。またNRIは、積極的にデジタルアセット向けのソリューション開発を行い、国内外のマーケットへ提供していく予定だ。
野村證券のホールセール部門責任者であるスティーブ・アシュレイ(Steve Ashley)氏は「Komainuは昨年、デジタルアセット分野における機関投資家の関心の高まりを受け、力をつけてきました。
Komainuは、クラス最高のデジタル資産保管プラットフォームを構築する計画の次のステージに着手するにあたり、これらの新しいパートナーや投資家を迎えました」とコメントしている。
編集部のコメント
komainuは野村ホールディングス、ハードウェアウォレット会社のLedger(レジャー)、クリプトファンドのCoinShares(コインシェアーズ)によって2018年に設立されたジョイントベンチャーです。
1月にはイギリスのダービシャー警察署とジタル資産カストディソリューションを提供するサービス契約を締結したことも発表されました。
関連記事:野村HDらの「Komainu(コマイヌ)」がイギリスの警察署にデジタル資産カストディソリューションを提供
参考:野村総合研究所、デジタルアセットのカストディアン「Komainu」との間で出資と共同開発に関する契約を締結
(images:iStocks/boku0203・Pict-Rider)