フォルクスワーゲンとエナジー・ウェブが提携、EVの電力市場への統合を目指す
電力システムに関するブロックチェーンアライアンスであるエナジー・ウェブ(Energy Web)が、フォルクスワーゲンの研究開発部門であるフォルクスワーゲン・グループ・イノベーションと共同で電気市場へのブロックチェーンの活用可能性を調査することを3月4日に発表した。
リリースによると、今回の提携の主たる目標は「EV(電気自動車)のシームレスな電気市場への参加」となっている。フォルクスワーゲンが持つ世界最大級のEV充電ステーションネットワークとエナジー・ウェブが持つ分散型オペレーティングシステムを組み合わせてEVを電力網へ統合する新たなソフトウェアを開発し、テストを行うとのことだ。
具体的にはEVのバッテリーに太陽光発電や風力発電によって生成された電気を蓄え、電力需要が供給を上回った場合に蓄えた電力を電力網に放出することで、発電の効率化と電力供給の安定を目指すとのこと。
エナジー・ウェブのCCOであるジェシー・モリス(Jesse Morris)氏はプレスリリースにて「今回の提携により、EVの顧客にさらなる価値を提供したいと考えています。EVがエネルギー市場に参加できるようになれば、販売店の駐車場からEVが出てきた瞬間に、その車はその地域のエネルギーシステムに完全に統合されることになります」と述べている。
また、フォルクスワーゲン・グループ・イノベーションのプロジェクトリーダーであるマービン・シュローダー(Marvin Schroeder)氏は「私たちはブロックチェーン技術がスマート充電アプリケーションにもたらす可能性を探求し、それがエコロジカルフットプリントにどのようにプラスの効果をもたらすかを探求したいと考えています」と述べている。
フォルクスワーゲンは2020年にBEV(エンジンを搭載せずバッテリーのみで駆動するEV)のID.3とID.4を発表している。さらに同社は今後ID. シリーズの拡充のために2024年までに350億ユーロ(約4兆円)を投資することと2030年までに約70種のBEVを発売することを発表している。
(imaes:iStocks/pgraphis・Kateryna-Bereziuk)