【取材】FiNANCiEがBリーグ「仙台89ERS」のクラブトークンを発行

FiNANCiEがBリーグ「仙台89ERS」のクラブトークンを発行

株式会社フィナンシェが、同社提供のブロックチェーン技術を利用した次世代クラウドファンディングサービス「FiNANCiE(フィナンシェ)」において、プロバスケットボールチーム「仙台89ERS(エイティナイナーズ)」のプロバスケットボールクラブトークンの発行を3月5日発表した。なおプロバスケットボール(Bリーグ)におけるクラブトークンの発行は今回が国内初の事例となる。

また今回のクラブトークンの発行に合わせ、宮城県のバスケットボール振興プロジェクト「NINERS HOOP GAME」の支援を目的としたクラブトークン発行型ファンディングも開始をするとのことだ。

クラブトークンはブロックチェーンで発行・管理され、ポイントのように数量を持つもので、サポーターはトークンを購入することで対象のチームの支援を行うことができる。

またサポーター(トークン保有者)の売買に応じてトークンの価格は上下するため、今後はサポーターが増えた際にはトークン価値が上がる可能性もあるとのこと(このクラブトークンは法律上の暗号資産とは別のものになるとのこと)。これによりクラブトークンはサポーターにとって初期から応援をしている証や継続的にチームを応援するモチベーションに繋がる為新しい応援の形となる。

さらにトークンを保有することでクラブ発の投票企画への参加権や限定イベント・限定グッズの応募ができるなどのメリットがあり、今回は「NINERS HOOP GAME」に関わる投票企画も実施されるとのこと(「NINERS HOOP GAME」とはプロの試合の仕様に近い演出を施し、子供たちに仙台89ERSの選手が着用するユニフォームに近い特別なデザインのユニフォームを着用してもらい試合を行う活動)。

初回トークンの販売は3月5日11:00より開始、またファンディングの実施期間は3月5日11:00~3月31日23:59までとなっている。

ファンディングの特典など詳細はこちら

編集部のコメント

フィナンシェでは先日1月21日にプロサッカーチームでは国内初のプロサッカークラブトークンの発行を「湘南ベルマーレ」にて行っています。その後湘南ベルマーレトークンおよび特典の販売総額は、400万円を突破したことも併せて発表されています。

株式会社フィナンシェCEOの田中隆一氏へ取材

あたらしい経済編集部は株式会社フィナンシェのCEOである田中隆一氏に取材を行った。

―先日国内プロサッカークラブとして初めて湘南ベルマーレがクラブトークンを発行しましたが、その際にトークンなど仕組みの説明にハードルがあったとお聞きしました。今回Bリーグへクラブトークンの発行に至るまでは障害はありましたでしょうか?またベルマーレファンの方のご理解など、クラブトークンはどのように受け入れられているのでしょうか?

田中隆一氏(以下、田中):トークンという仕組みが、単に投資的な文脈ではなく保有している方にどういうメリットがあるのか、サポーターの方にとって有意義で、わかり易い設計をするのが苦労した点です。ストーリーも無く何かの投票にトークンを利用してくださいというのは安直であり、投機家は入ってもサポーターには受け入れられません。

その点をベルマーレのスタッフの方と弊社のCOO前田を始めとした運営チームで事前に議論を重ねて、今回の打ち出しに至りました。それはJリーグだけでなくBリーグでもそうですし、スポーツ分野で実施するにおいては、どこも一緒で必要なことだと考えております。 またベルマーレサポーターの方の中には感度高い方もいらっしゃって、またサポーターではなくても仕組み自体に興味持っていただいた方にトークンについてツイッターやNoteでまとめてもらったり、また地域のフリーペーパー(湘南ジャーナル)で解説頂きました。

―また前回のベルマーレの事例にてトークンおよび特典の販売総額が400万円を突破し、販売期間も好評につき延長しています。この好評だった要因と、これをどのようにBリーグでも展開できるとお考えでしょうか?

(田中):ベルマーレさんの取組で、どれがファンに受け入れられて、そうではないものについても徐々に理解し始めてきています。競技内容やチームのファン層によって違うので、一言では言えませんが、実施と検証による理解を重ねて、より良い企画がリーグ関わらず、どのチームにも展開できると考えております。またとても有り難いことにベルマーレのスタッフさんからも色々と試してくれ、というお言葉をいただき感謝しています。

―今シーズンは東日本大震災から10年を迎えますが、この節目のシーズンにフィナンシェとして関わるお気持ちをお聞かせいただけますでしょうか?

(田中):ブロックチェーンという技術とトークンの仕組みを通じて、仙台89ERSさまの有意義なプロジェクトに関わることができて、弊社としても非常に光栄です。今後もこのような社会的にも意味のあるプロジェクトに関わらせていただくことで、ブロックチェーン技術がより人々に受け入れられる環境を作っていきたいと考えています。

コメント・取材:大津賀新也(あたらしい経済)

(images:iStocks/msan10)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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