GMOの「GYEN」と「ZUSD」提供開始、米銀行法規制を遵守した日本円ステーブルコインの提供は世界初

GMOの「GYEN」と「ZUSD」提供開始

GMOインターネット株式会社が、同社の連結会社で米国の現地法人であるGMO-Z.com Trust Company, Inc.(GMO Trust)の公式WEBサイトにおいて、ステーブルコイン「GYEN」と「ZUSD」の発行・換金を開始し、サービス提供を開始することを3月2日発表した。

GMO Trustが発行するステーブルコイン「GYEN」は、世界初となる米銀行法規制を遵守した円ペッグ通貨(法定通貨の日本円に担保された法定通貨担保型)だ。また「ZUSD」は米ドルペッグ通貨(法定通貨の米ドルに担保された法定通貨担保型)となっている。

リリースによると「GYEN」および「ZUSD」は(1)価格の安定性(2)流動性の高さ(3)イーサリアム技術を採用の3つを特徴としているとのこと。価値の裏付となる資産の証明は、公認会計士による監査レポートを通じて毎月開示するほか、セキュリティと透明性はGMO Trustが直接「GYEN」および「ZUSD」の発行・換金を行うため、手数料を抑えながら向上が図れるとのことだ。

なお「GYEN」と「ZUSD」は共に日本国外で流通するものであり、日本国内居住者への販売は対象外となる。

GMO-Z.com Trust Company, Inc.のCEOである中村健太郎氏はリリースにて「GMO Trustにとって、これは単にステーブルコインの提供が開始されるというだけではありません。規制を遵守した法定通貨担保型のステーブルコインをTier1(ティアワン:一次請け)の金融機関などによってご利用いただくことにより、デジタル資産市場全体の規模とユースケースを大幅に拡大させるものだと考えています」とコメントしている。

編集部のコメント

GMOインターネットは、米連邦法上において銀行と同等の厳格な審査基準であるマネーロンダリング規制(AML)および経済制裁規制(OFAC)への対応や、サイバーセキュリティプログラムに関する厳格な審査基準を満たした「特定目的信託会社」の許認可を2020年12月に取得し、米国・ニューヨーク州にGMO Trustを設立し、GMO Trustを通じてステーブルコインを提供するべく準備を進めてきたとのことです。

「GYEN」発行認可承認の際のニュースでは、「GYEN」は2021年1月以降に米国、欧州、アジアなど世界6カ所の取引所に上場予定であり、GMOはGYENを日本円に戻す際に0.1%程度の手数料を受け取る仕様で、初年度に数百億円分の発行を目指しているとのことでした。

GMO Trustのサイトによると、「GYEN」および「ZUSD」はLiquid Global、SHIFTにて3月3日より上場。BINANCE・COINZOOM・INXは今後の上場予定として「coming soon」となっています。また運用企業としてHudson River Trading(HRT)、Hehmeyer、GSR、KEYROCKら8社が名を連ねており、またZERO#、BitGo、Fireblocksで決済に利用することも可能とのことです。

参考リンク

GMOインターネット株式会社

コメント:大津賀新也(あたらしい経済)

(imaes:iStocks/dalebor・Dmytro-Rohovyi)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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