コインベースが上場目論見書をSECへ提出、総収益約1,210億円、顧客数4,300万人など実体が明らかに

コインベースが上場目論見書をSECへ提出

アメリカ暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)がナスダックへの直接上場に向け上場目論見書「フォームS-1」を米証券取引委員会(SEC)に2月25日に提出した。「フォームS-1」の公開により、暗号資産取引所事業の実体が初めて明らかになった

コインベースの2020年の総収益は約1,210億円で、営業利益は約434億円。一方、2019年の総収益と営業利益は、約482億円と約▲49億円である。

つまり2020年と2019年を比較すると、総収益は約728億円の増加で営業利益は約483億円の増加となる。

ちなみにコインベースの総収益の約95%が取引手数料である。取引手数料による収益は2020年が約1,170億円となっている。取引手数料は、暗号資産の購入、売却、出金された時の価格と数量に基づいて計算されているとのことだ。また取引手数料は処理された時点で収益認識されるとのこと。

顧客数は2020年が4,300万人で、2019年は3,200万人となっている。顧客預かり資産は約9兆5,000億円となっている。

そして主要株主と株の保有率に関しては、コインベース創業者のブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)が21.7%、アンドリーセン・ホロウィッツのマーク・アンドリーセン(Marc Andreessen)が14.2%、コインベース共同創業者のフレッド・エルザム(Fred Ehrsam)が9%、USVのフレッド・ウィルソン(Fred Wilson)が8.2 %となっている。

そしてコインベースはビットコイン、イーサリアム、USDC、その他の暗号資産を保有していることも明らかにした。

2020年12月31日時点で、保有暗号資産の公正価値は約250億円(2億5,020万ドル)。それぞれの保有額は、ビットコイン約138億円(1億3,010万ドル)、イーサリアム約25億円(2,380万ドル)、USDC約51億円(4,890万ドル)、その他の暗号資産約36億円(3,400万ドル)となっている。

現在のコインベースの推定評価額は8.2兆円(1株303ドル)とナスダックのセカンダリーマーケットの取引額から推定されている。

なおForbesの報道によれば「共同創業者のブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)が昨年受け取った報酬は5950万ドル(約63億円)で、JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOやゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOよりも多かった」とのことだ。

(images:iStocks/Funtap・Максим-Ивасюк)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した