シンセティックスがコインベースベンチャーズらから約12億円の資金調達
自律分散型組織(DAO)で分散型プロトコルを運営するシンセティックス(Synthetix)が米コインベースベンチャーズ、米パラダイム(Paradigm)、香港IOSGから約12億円(1,200万ドル)の資金調達を行ったことがコインテレグラフの報道で2月14日に明らかになった。
この資金調達は、ベンチャーキャピタルが自律分散型組織(DAO)であるシンセティックスのトークン「SNX」を購入し、流動性を提供する形で行われる初の事例となったとのこと。
シンセティックスは様々な金融資産を合成して作ることができるプラットフォームだ。シンセティックスでは「SNX」の保有者は、「SNX」を担保にすると、BTC、ETH、DeFiのインデックス商品など価格と連動した合成資産を借りて、利用できるようになる。
パラダイムの投資パートナーであるアルジュン・バラジ(Arjun Balaji)氏は「シンセティックスが最先端のシンセティックス・アセット・プラットフォームを構築する中、私たちがシンセティックスをサポートできることを嬉しく思います。
またシンセティックスには、暗号資産(仮想通貨)業界の中でも最高のコミュニティが存在していて、その一部になれたことを嬉しく思います」とコメントしている。
シンセティックスの中心的な貢献者であるジョーダン・モムタジ(Jordan Momtazi)氏はベンチャーキャピタル(VC)から投資を受けることについて「多くのVCはあまり付加価値を与えていません。質の高いVCとそれ以外のVCとの間の差は非常に大きいです。
今回私たちの1,200万ドルの資金調達に参加してくれた3つのVCはそれぞれ、個人投資家では到底実現できないような付加価値をもたらしてくれています。
パラダイムは社内の人事やネットワークを通じて、プロトコルの人材採用を支援してきました。また、V3計画の検討にも積極的に協力してくれています。私たちのアーキテクチャに関連したアプローチについての洞察を提供してくれました。
コインベースベンチャーズは社内外を問わず、多くの機能を横断的に接続するための支援をしてくれました。
一方IOSGは、中国地域のリーダーの採用や実際の資金調達への協力や中国語での教育コンテンツの作成を支援することで、シンセティックスの中国進出を後押ししてくれています」とコメントしている。
編集部のコメント
コインベースベンチャーズは2019年9月に分散型レンディングプロトコルのコンパウンド(Compound)とdYdXに、それぞれ100万USDCを投資しています。
今回は自律分散型組織の独自トークンを直接購入する形の資金調達になりました。このようにVCの資金提供方法も多種多様になってきていることが非常に興味深いです。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStcoks/pgraphis・BadBrother・RamCreativ)