マスターカードが年内に暗号資産支払いのサポート開始、ステーブルコインから
決済大手のマスターカード(Mastercard)が今年中に暗号資産支払いのサポートを開始することを2月10日に発表した。
マスターカードのブログ投稿によると、近年暗号資産が決済の世界でより重要になっているのは事実であり、暗号資産支払いを可能にすることで取引の新しい可能性が生まれると考えられるため、同社は暗号資産支払いのサポート開始を決定したとのこと。
どの暗号資産をサポートするかは今後慎重に検討していくとのこと。なお暗号資産の選択の際の基準としては以下の4点が挙げられている。
(1)プライバシーとセキュリティを含む消費者保護
(2)KYCを含む厳格なコンプライアンスプロトコル
(3)使用される地域の法律や規制への対応
(4)人々がその暗号資産を投資手段ではなく支出手段として認識していること
以上の基準を考慮すると、現時点ではビットコインなどの裏付けのない暗号資産ではなく、コンプライアンス対策が徹底されており信頼性の高いステーブルコインを中心に導入する考えとのこと。
マスターカードは2020年にワイレックス(Wirex)やビットペイ(Bitpay)と提携し、暗号資産を使用して取引ができるクリプトカードをすでに発行している。しかし、これは暗号資産を一度法定通貨に交換してから支払いを行うという仕組みとなっており、支払いの際に非効率性が生じていた。そこで今回のように支払い手段として暗号資産を直接移動できるようにすることで、より多くの加盟店が暗号資産を受け入れられるようになり、また暗号資産と法定通貨を交換する非効率性が無くなるとのことだ。
(images:iStocks/iBallBall14・LongQuattro)