タイのサイアム商業銀行が約50億円規模のブロックチェーン・DeFiファンドを立ち上げ
タイのサイアム商業銀行の持株会社であるSCB 10Xがブロックチェーン、DeFi(分散型金融)、デジタルアセット領域に特化した約50億円(5,000万ドル)規模のファンドを新たに設立したことが2月9日に明らかになった。
このファンドは世界中のアーリーステージとグロースステージのスタートアップ、特にDeFiのためのブロックチェーンインフラとデジタルアセットの有望なスタートアップに投資し、将来のデジタル金融システムに対応できるようにしていく狙いがあるとのことだ。
SCB10Xはタイのフィンテック企業で、OMGネットワークなどを提供しているシンカ(SYNQA)のシリーズCラウンドの主要投資家であることをが明らかになっている。シンカは長谷川潤氏が2013年に創業、シリーズCラウンドではトヨタフィナンシャルグループ、三井住友銀行、SMBCベンチャーキャピタル、あいおいニッセイ同和損害保険らから総額85億円集めた。
SCB10Xのチーフベンチャー・投資責任者であるムクヤ・パニッチ(Mukaya Panich)氏は「ブロックチェーン技術は取引コストを削減し、分散型の信頼を促進し、セキュリティを強化し、中央集権型と分散型のビジネスモデルとプラットフォームの新たな基盤となる可能性があります。
金融業界ではブロックチェーン対応の金融サービスは、金融包摂を拡大し、オープンアクセスを促進し、イノベーションを促進する可能性を秘めています。従来の金融とブロックチェーン対応の金融サービス事業には強い類似性があると考えています。
ブロックチェーン技術は、金融サービスをより革新的にし、相互運用性、トレーサビリティ、ボーダーレス、透明性を高めることができます」とコメントしている。
さらにムクヤ・パニッチ氏は「新たに5,000万ドルのブロックチェーン、DeFi、デジタルアセット専用VCファンドを設立したことで、ブロックチェーンインフラ、ブロックチェーン革新的アプリケーション、分散型金融における革新的で有望なスタートアップに資本スタックを横断的に投資し、銀行が将来の混乱に備えるための準備を強化していきます」とコメントしている。
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