EYが独自のブロックチェーンソリューションを中国へ本格展開

EYが独自のブロックチェーンソリューションを中国へ本格展開

グローバルコンサルティング大手のEYが中国政府主導のブロックチェーンサービスネットワーク(BSN)と提携し、EYが開発するイーサリアムベースのソリューション「EY Ops Chain」とブロックチェーン分析ソリューション「EY Blockchain Analyzer」を、中国およびアジア太平洋地域に展開していくことを2月5日に発表した。

「EY Ops Chain」はサプライチェーンで買い手と売り手の資金および商品の調達活動を管理・運用コストを低下させ、効率化するソリューションだ。

一方「EY Blockchain Analyzer」は、ユーザーがブロックチェーンの全履歴のオンチェーンデータにアクセスし、可視化するソリューションだ。

また「EY Blockchain Analyzer」は、オンチェーンデータの詳細なパターンや傾向を探索、追跡、分析し、法的、コンプライアンス、不正行為リスクの管理を改善する。

EYのリリースによれば、中国企業の意思決定者らのうち約73%が今後12ヶ月間にブロックチェーンは企業のビジネスや戦略的優先事項にとって非常に重要になると考えているとのこと。これはEYが独自で行ったアンケート調査によって明らかになったものだ。

まずEYはBSNを利用して、ブロックチェーン分析と財務諸表監査のためのEY Blockchain Analyzerの統合と展開を完了させていく方針とのことだ。

EYグローバルブロックチェーンリーダーのポール・ブロディ(Paul Brody)氏は「中国はブロックチェーン技術にとって世界最大の市場の一つであり、EYのチームは数年前から中国で活動してきましたが、今回はEYのブロックチェーン・プラットフォームをスケーラブルに展開するための最初の大きな一歩となります。

FISCO BCOSとEthereumの両方を提供することで、EYの専門家は中国国内およびアジア太平洋地域全体のクライアントにサービスを提供し、それらのユーザーをグローバルなブロックチェーンに接続します。私はこれを、ブロックチェーン技術を通じて世界最大の経済圏をつなぐ重要な一歩だと考えています」とコメントしている。

FISCOの副事務局長であるヤオ・ホイヤ(Huiya Yao)氏は「中国市場におけるブロックチェーンの著しい成長をさらに強化・発展させるための重要なステップをキックオフできたことを嬉しく思います。

EYチームとの連携は、FISCOのローカルおよびグローバルビジネスの推進と、EY Blockchain AnalyzerとEY OpsChainソリューションの能力強化の両方に資するものです」とコメントしている。

BSN開発協会エグゼクティブ・ディレクターのイーファン・フー(Yifan He)氏は「EYのチームとの会話の中で、ブロックチェーン技術の力とグローバルにスケールさせていくことの重要性について共通のビジョンを共有していることが明らかになりました。

EYはパブリックイーサリアムブロックチェーン上でのビジネスアプリケーションの世界的リーダーとしての地位と、保証技術への大規模な投資を行っていることから、私たちの組織に大きな付加価値をもたらし、ユーザーにとって大きな価値を生み出すことができるでしょう」とコメントしている。

編集部のコメント

またEYは中国の金融アプリケーションにおけるブロックチェーン活用の専門非営利団体「Financial Blockchain Shenzhen Consortium(FISCO)」に参加したことも発表しています。

リリースには中国の規制をいかに考慮して、サービスを展開させるかがポイントだと記載されています。まさに対中国ビジネスにおいて、どのようにして中国と共創していけるかは重要であり、EYがその門戸を開くことを期待しています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStocks/yewkeo)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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