リトレイスドがシードラウンドで100万ユーロの資金調達
ファッション業界向けにブロックチェーントレーサビリティプラットフォームの開発を行っているドイツのリトレイスド(Retraced)が、ヨーロッパのVC企業サマイパタ(Samaipata)からシードラウンドにて100万ユーロ(約1億円)の資金調達をしたことを2月2日発表した。
リトレイスドはファッション業界におけるサプライチェーンの透明化を行い、原材料・労働条件・環境への影響に関する情報を収集し、顧客に対しこの情報を共有するプラットフォームだ。なおブロックチェーンにはオラクル社のOracle BlockchainPlatformが利用されている。
サマイパタの創業パートナーであるホセ・デル・バリオ(José del Barrio)氏は今回の投資について「コンプライアンス管理に対する規制上の圧力が高まっていることや、新たな消費者からの要求の高まりに対応せずに評判が悪化することを考えると、最終消費者に向けて企業が透明性を示す時代に突入していると確信しています」とコメントをしている。
編集部のコメント
ファッション業界向けに進んでいるブロックチェーントレーサビリティプラットフォームとして「AURA(オーラ)」があります。「AURA」は消費者が、LVMH傘下のルイヴィトン、クリスチャンディオールなどの高級ブランドの製品の履歴情報や真贋証明の検証を可能にするために開発されたプラットフォームです。
なお同じような高級品へのブロックチェーントレーサビリティプラットフォームとして、2020年4月に発表された「Vargo(ヴァルゴ)」があります。「Vargo」は監査法人PwC、RFIDソリューションプロバイダーTemera(テメラ)、ブロックチェーン企業のLuxochain(ラクソチェーン)、イタリアのITサービス企業Var Group(ヴァーグループ)が共同で開発をしています。
(images:iStocks/angelha)