PayPalが2月後半に送金アプリVenmoでの暗号資産取引開始予定など、今後の方針を説明(2020年度第4四半期の決算説明会にて)

PayPalが2月後半に送金アプリVenmoでの暗号資産取引開始予定など、今後の方針を説明

PayPalが2020年度第4四半期の決算説明会で暗号資産(仮想通貨)に対する今後の取り組み方針について説明した

PayPalの第4四半期決算説明資料によると「今後の注力分野は、店頭での支払い機能、デジタル通貨、請求書払い機能、マーケットプレイス、クロスボーダーコマース、PaypalとVenmoでのデジタル通貨ウォレットのUX向上である」と記載されている。

今後の暗号資産領域に関する予定として、2月後半にPayPal子会社Venmoの金融アプリVenmoで暗号資産売買や取引が行えるようになり、2021年後半には暗号資産で世界中のPayPalの2900万の加盟店に支払いを行えるコマースサービスをローンチする予定とのことだ。

PayPalのCEOを務めるダン・シュルマン氏は「当社のプラットフォーム上で取引された暗号の量は、当社の予測を大幅に上回りました。私たちは顧客が資金源としてその暗号残高を使用できるようにすることで、この初期の成功に基づいて構築することに興奮しています。今後数ヶ月以内に最初の国際市場を立ち上げたいと考えています。

実際にPayPalは規制当局や中央銀行と協力して次世代の金融システムを形成してきています。そして暗号資産事業にも投資を行っています」と第4四半期の決算説明会でコメントした。

さらにダン・シュルマン氏は「現在の金融システムが時代遅れであることは誰もが知っていますが、取引が数日ではなく数秒で完了する未来、取引の完了にかかるコストが低くなる未来、そして富裕層だけではなく、すべての人々がデジタル経済の一部になることを可能にする未来を思い描くことができます。

私たちはこのようなより包括的な未来の実現を支援するために、新しい暗号資産、ブロックチェーン、デジタル通貨のビジネスユニットに大規模な投資を行っています。

また、後払い機能の急速な成長にも注目したいと思います。第4四半期を通して、非常に大きな需要と成長が見られ、これまでに発売した製品の中で最速のスタートを切ったことを目の当たりにしました」とコメントしている。

Coindeskは暗号資産領域のリサーチ企業であるサスケハナ・フィナンシャル・グループのシニア・フィンテック・リサーチ・アナリストのジェームズ・フリードマン氏にPayPalの動向に関してコメントをもらっていて「PayPalの加盟店ネットワークは、PayPalが提供できる取引サービスよりも価値があるかもしれません。

またSquareが提供している暗号資産取引サービスはそれほど利益を上げていません。基本的にSquareはサービスとして暗号資産を提供していて、市場は作っていますが実際には損失と利益の埋め合わせができていません。

暗号資産取引は興味深いものですが、私たちにとって暗号資産には、支払いを受け入れるデバイスとしての面白さはほとんどありません。一方でPayPalは信じられないほどの取引ボリュームを持っています」と答えている。

編集部のコメント

PayPalはコロナウイルスがデジタル化を加速させたことで好決算を示しています。

第4四半期にPayPalは140万の新規加盟店の増加を含め、1,600万の新規アクティブ顧客を獲得しました。年間では、7,300万の新規アクティブ顧客数を記録し、24%増の3億7,700万人のアクティブなアカウント数で2020年度を終えたとのことです。

そしてPayPalは実現可用性を獲得するまでは即費用化しなければならない研究開発費が増加しており、PayPalはソフトウェア投資が加速していることは間違いないと思われます。それは中央銀行や規制機関と共に開発するソフトウェアプロダクトの研究開発費かもしれません。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStocks/Kateryna-Bereziuk・Igor-Korchak)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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