日本マイクロソフトが金融DXを目的に協業プログラムを開始(日本マイクロソフト業務執行役員金融イノベーション本部長の藤井達人氏へ取材)

日本マイクロソフトが金融DXを目的に協業プログラムを開始

日本マイクロソフトがフィンテック・インシュアテック領域の強化に向けて、パートナー協業プログラム「Microsoft Enterprise Accelerator – Fintech/Insurtech (マイクロソフト エンタープライズ アクセラレーター – フィンテック/インシュアテック)」の開始を1月28日に発表した

この協業プログラムでは、マイクロソフトが提供するクラウドサービスのAzureやブロックチェーンなどとパートナー企業のBaaSソリューション、データ分析能力や情報管理基盤を組み合わせることで、金融機関が取り組む新たな収益源確保につながる変革を支援していくとのことだ。

具体的には、オープンAPIによるオープンバンキングやオープンインシュランスなどを通して、自社の金融機能を外部企業に提供し、デジタルでの販売チャネル拡大を図る金融機関のニーズに対応していくとのこと。

金融機関によるオープンAPIとは金融機関と外部の事業者との間の安全なデータ連携を可能にする取組みのこと。オープンAPIにより、外部事業者は自社のサービスを利用するユーザーに対してセキュリティと良いUXを担保できるようになる。金融機関も自社のサービスを提供するユーザーが増えるメリットとユーザー起点でのサービス改善機会を得ることができるようになる。

現時点で参加が決定しているパートナー企業は「株式会社インフキュリオン、SBI R3 Japan 株式会社、クラウドキャスト株式会社、株式会社クラウドリアルティ、クレジットエンジン株式会社、株式会社justInCaseTechnologies、ZEROBILLBANK JAPAN株式会社、Backbase Japan株式会社、株式会社bitFlyer Blockchain、株式会社Finatext、マネーツリー株式会社、株式会社LayerX」の12社である。

追記:1月30日19時20分

日本マイクロソフト業務執行役員金融イノベーション本部長の藤井達人氏へ取材

あたらしい経済編集部は日本マイクロソフトエンタープライズ事業本部業務執行役員で金融イノベーション本部長の藤井達人氏へ取材をした。

ー金融機関は新たな収益源として、具体的にどのようなモデルを考えられているのでしょうか。

藤井達人(以下:藤井)金融機関といっても様々ですが、共通しているのは自動化など徹底した合理化でコスト削減してそれを原資に投資に回します。

非金融のプラットフォーム事業者と組んで、そのプラットフォーム利用者に金融サービスを広く提供する動きが目立ってますね。みずほとLINE、MUFGとドコモ、など。いわゆるBaaSモデルで、銀行は裏で金融機能を提供します。

それによって銀行は今までリーチできなかった顧客に商品を提供することができ、収益を伸ばそうという戦略です。

ー金融機関のデジタルトランスフォーメーションを推進する上で、ブロックチェーン技術はどのような役割を果たすと考えているのでしょうか。

藤井:すでにブロックチェーンの適用は始まっていて、例えば貿易金融におけるブロックチェーンを活用した新たなプラットフォームに銀行も参加して、複雑でアナログな業務を自動化しようとしています。

もう一つはセキュリティトークンで、有価証券の発行・管理・流通のコストを下げて発行サイドと需要サイドの新しいニーズを喚起し取引を拡大、収益を拡大させようという動き。SBIとSMBCが大阪を拠点にセキュリティトークンのセカンダリマーケットを作るニュースがありました。香港・シンガポールに劣らないスピード感で進むことが期待されます。

その他にも、CO2排出権取引などブロックチェーンベースの新しいマーケットが開発され始めていて、金融機関も積極的に関与していこうとしているようです。

(images:iStocks/Rawpixel)

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