日銀が来年春にCBDC実証実験の第二段階を開始か
日本銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の第二段階の実証実験を令和4年度(来年2022年)春にも実施する方針であることを1月19日産経新聞が報じた。
報道によると、令和3年度(今年春以降)の早い時期に始めるとしている第1段階の実験を1年程度行った上で第二段階に移行するとのこと。その後最終的に第3段階の実験を行い実用化を検証するとのことだ。
日銀は昨年10月9日に「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」を公表しており、その中で日銀は今後、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に対する社会のニーズが急激に高まる可能性もあるとし、「現時点ではCBDCを発行する計画はない、が決済システム全体の安定性と効率性を確保する観点から、今後の様々な環境変化に的確に対応できるよう、しっかり準備しておくことが重要であると考えている」ため「個人や企業を含む幅広い主体の利用を想定した一般利用型CBDCについて、日本銀行の取り組み方針を示すこととした」としている。
また資料によると概念実証フェーズ1(実証実験第一段階)では、システム的な実験環境を構築しCBDCの基本機能(発行、流通、還収)に関する検証を令和3年度の早い時期の開始を目指すとし、概念実証フェーズ2ではフェーズ1で構築した実験環境にCBDCの周辺機能を付加して、その実現可能性などを検証。そしてフェーズ3を民間事業者や消費者が実地に参加する形でのパイロット実験を行うことも視野に入れて検討するとしていた。
日銀ではその準備作業として「なるべく早く、構築すべき実験環境の基本要件等を特定し、そのうえで実験に参加・協力してもらう外部ベンダー等を公募する予定である」と資料にて述べていた。
「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」はこちら
(images:iStock/Andrey-Suslov・stockdevil・Osamu-Takeishi)