次世代分散型ブラウザBrave(ブレイブ)にIPFSプロトコルのサポート追加

次世代分散型ブラウザBraveにIPFSプロトコルのサポート追加

米ブレイブ・ソフトウェア(Brave Software)がプライバシー指向の次世代分散型ウェブブラウザ「Brave」にP2Pファイル共有プロトコルであるIPFS(InterPlanetary File System)のサポートを追加したことを1月19日に発表した。

IPFSとはネットワークを構成する通信プロトコルの一種である。現在主流となっている通信プロトコルはHTTP(S)であり、IPFSはHTTP(S)に代わるものとしてオープンソースの研究開発組織Protocol Labs(プロトコル・ラボ)によって開発が進められている。

IPFSとHTTP(S)の大きな違いはコンテンツへのアクセスの方法である。HTTP(S)はロケーション指向のプロトコルであり、サーバー名やディレクトリ名を指定することで対象の場所にあるコンテンツへアクセスする。一方でIPFSはコンテンツ指向のプロトコルであり、コンテンツの識別子を指定することで、ネットワーク上で該当コンテンツを保有しているノードからコンテンツを受け取るという形式になっている。

発表によるとIPFSのサポート追加により、最新バージョンのデスクトップ版Braveでは「ipfs://~」という形式のアドレスを読み込めるようになり、ユーザーはコンテンツID(CID)と呼ばれるコンテンツのハッシュ値を指定することでコンテンツにアクセスできるようになるとのこと。またオプションでIPFSのフルノードをインストールすることも可能であり、その場合ユーザーは自分のノードに接続されているP2Pネットワークを介してコンテンツへアクセスできるとのことだ。

ブレイブ・ソフトウェアのCTOであるブライアン・ボンディー(Brian Bondy)氏はリリースにて「IPFSは、データの重複排除と複製を活用しながら、コンテンツ制作者が高いネットワークコストをかけずにコンテンツを配信するのに役立つエキサイティングな技術です。(中略)IPFSネットワークは、例えばWikipediaの一部など、企業や国家によって検閲されたコンテンツであってもアクセスできるようにします」と述べている。

ブレイブ・ソフトウェアは今後モバイルアプリ版ブラウザでのIPFSのサポートの追加、ウェブサイトの公開、ブラウザレベルのUIの実装などを行う予定とのことだ。

編集部のコメント

今回のニュースは「Braveがサーバーを起点とする中央集権型のネットワークだけでなく、多数のノードで構成される分散型のネットワークにも対応するようになった」ということになります。

分散型のネットワークの利点は、サーバーに強力なコンピューティングリソースを備える必要がなくなること、国家による検閲を防げることなどが挙げられます。

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コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:iStock/artsstock・dalebor)

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