BMW、フォード、ホンダ、デンソーらのMOBIが自動車業界標準規格「Vehicle Identity(VID)II」発表
BMW、フォード、そしてホンダやデンソーらも参加する「モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアティブ(MOBI)」が、ブロックチェーン上で利用する自動車業界の標準規格「Vehicle Identity(VID)II」を1月19日に発表した。
「VID II」は「VID I(車両出生証明書)」を活用して、車両登録とメンテナンス・トレーサビリティを進めていく予定だ。リリースでは「ブロックチェーン上の車両登録は、以前は州や国の間で切断されていた車両登録システムを、安全で共有された信頼できる台帳を使って接続することを可能にします。メンテナンス・トレーサビリティは、購入者、規制当局、保険会社に改ざん防止の履歴を提供し、車両情報の非対称性を減らすことができます」と説明されている。
BMWの新興技術の責任者を務めるアンドレ・ルッコウ(Andre Luckow)氏は「BMWでは、シームレスなデジタル・ソリューションの創造に努めています。VID II規格のリファレンス・アーキテクチャは、摩擦のない信頼性の高いモビリティ・エコシステムへの変革を実現するための重要なビルディング・ブロックです」とコメントしている。
ちなみに「VID II」はBMWとフォードが共同議長を務め、アクセンチュア、AWS、AutoData Group、Bosch、Car IQ、DENSO、DMX、Hitachi America, Ltd.、ホンダ、IBM、Kar Auction Services、Luxoft、Quantstamp、Ownum、USAAらが関与している。
MOBIのCOOであり共同創業者であるトラム・ヴォ(Tram Vo)氏は「安全なデジタル車両IDは、利用ベースの交通サービスのための完全自動化ネットワークの基礎となります。モビリティのあたらしい経済(New Economy of Movement)における摩擦のない価値移転のためのこのネットワークが、車両、サービス、データ、インフラを収益化するための何兆ドルもの新しい機会を開くことを期待しています」とコメントしている。
フォード・リサーチ・アンド・アドバンスト・エンジニアリングの車両研究・技術担当ディレクター、シンシア・フラニガン(Cynthia Flanigan)氏は「フォードは今回の車両識別技術の研究がより良い所有体験につながると考えています。またこの技術は将来的に購入プロセスを簡素化するのに役立つと考えています」とコメントしている。
編集部のコメント
その他のVID IIのユースケースには、サプライチェーン、自動車融資、電気自動車充電、自律型自動車データ交換などがあげられています。
またトヨタファイナンシャルサービスはDatachainと中古車の車両価値算出や車両の所有権移転へのブロックチェーン技術活用の実証を行っていたりもします。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
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