米暗号資産会計/税務ソフトウェア企業ルッカがステートストリートやS&P Globalおよび米国公認会計士協会子会社から約15億6,000万円の資金調達
暗号資産の会計/税務ソフトウェア開発企業ルッカ(Lukka)が、資産運用企業ステートストリート(State Street)が主導するシリーズCの資金調達を完了し、S&PGlobal と米国公認会計士協会(AICPA)のテクノロジー子会社であるCPA.comが参加したことを12月11日に発表した。資金調達ポータルサイトCrunchbaseによれば、シリーズCラウンドの調達額は約15億6,000万円(1500万ドル)のようだ。これによりルッカの資金調達総額は約39億8,000万円(3830万ドル)となった。今回の資金調達によりルッカは暗号資産を採用し始めた企業をターゲットに、ソフトウェアやデータ製品の拡大を計画している。
ルッカのソフトウェアおよびデータソリューションは、複雑なブロックチェーンや暗号資産のデータを使いやすい情報に変換し、ミドルオフィスやバックオフィスの業務をサポートできるようにしている。ちなみにルッカは、AICPA SOC Controlsなどの会計領域で信頼されている技術管理基準を用いて、ソリューションを提供している。AICPA SOC Controlsとは業務受託会社における内部統制保証報告やサイバーセキュリティに関する内部統制保証報告の枠組みを定義しているものである。
ルッカのCEOであるロバート・マテラッツィ(Robert Materazzi)氏は「これらのパートナーシップは、暗号資産が従来の金融サービスにとっていかに重要なものになっているかを強調し続けています。ルッカは金融機関やデータプロバイダーの要件に合わせて拡張性の高い基準を備えたソリューションを構築することに注力してきました。ステートストリート、S&P Global、CPA.comなどの当社の戦略的パートナーは、いずれも金融エコシステムにおいて重要な役割を果たしており、ルッカが誇りを持ってサポートしています」とコメントしている。
ステートストリートのオルタナティブプロダクトのグローバルヘッドであるジェン・トリブッシュ(Jen Tribush)は「私たちはビジネスを進化させ、顧客のニーズに基づいたソリューションを開発する機会を継続的に探していますが、ルッカは機関投資家向けのマインドセットをテクノロジーソリューションにもたらし、暗号資産と従来の資産の導管としての役割を果たすことができる企業であることがわかりました」とコメントしている。
ステートストリートのプロダクト・イノベーションおよびビジネス開発のグローバルヘッドであるディーン・サカティ(Dean Sakati)氏は「ルッカとのパートナーシップは、当社の機関投資家がデジタル資産を採用する中で、当社のイノベーションへの幅広いコミットメントを強調しています」とコメントしている。
編集部のコメント
ルッカはS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P Dow Jones Indices)と共同で、グローバルな暗号資産インデックスソリューションの提供を2021年に開始することを12月3日に発表しています。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、Lukkaが独自に開発した暗号資産価格データとS&Pブランドにカスタマイズされたインデックス作成およびベンチマークソリューションを連携して提供していく予定となっています。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStock/Kateryna-Bereziuk・BadBrother)