シティバンク(Citibank)アナリストが一連のビットコイン投資をうけマイクロストラテジー(MicroStrategy)の株式評価引き下げ
米シティバンク(Citibank)のアナリストであるタイラー・ラドケ(Tyler Radke)氏が、米ナスダック上場企業マイクロストラテジー(MicroStrategy)の株式評価を「中立」から「売り」へと下げたことを、米金融メディアのシーキングアルファ(Seeking Alpha)が12月8日に報じた。
ラドケ氏は評価を下げた理由として、マイクロストラテジー社によるビットコインの過度な購入を挙げている。同社は今年8月から9月にかけて4億2500万ドル(約440億円)をビットコインに投資し、先週5日にさらに5000万ドル(約52億円)を追加的に投資している。そのうえ今月7日には4億ドル(約410億円)の転換社債を販売し得られた純収入をビットコイン投資に充てると発表している。
マイクロストラテジーのこれまでのビットコイン投資の影響によって同社の株価も急激に上昇している。しかしラドケ氏によると株価の上昇率は、ここ数週間のビットコイン価格の上昇率を上回ったものとなっているため、現状ではマイクロストラテジー社の株価が過剰に評価されている(本来の企業の価値以上の価格がついてしまっている)状態になっていると指摘している。
さらにラドケ氏はマイクロストラテジーCEOであるマイケル・セイラ―(Michael Saylor)氏の「過剰なビットコインへのフォーカス」も問題視しているとのこと。
これらの状況を考慮したうえでラドケ氏は「マイクロストラテジーのビジネスプランの実行に対するリスクが増加する」として評価を下げたとのこと。この報道後、同社の株価は約14%ほど下落している。
なおシティバンクによる格下げ報道があった後もマイクロストラテジーのビットコイン投資への意向は変わっていない。同社は今回の報道後である12月9日に転換社債発行に関する詳細な情報を発表し、社債の発行総額を当初の予定である4億ドル(約410億円)から5億5000万ドル(約570億円)に引き上げたことを明らかにしている。
編集部のコメント
ラドケ氏が問題視しているマイクロストラテジーCEOのマイケル・セイラ―(Michael Saylor)氏の「過剰なビットコインへのフォーカス」については、バイナンスが主催したセイラ―氏とバイナンスCEOのジャオ・チャンポン(CZ)氏の対談にて、セイラー氏が「(ビットコインは)金の100万倍優れている」、「神がサイバースペースで金を設計したなら、ビットコインを作っていたはずだ」などと発言していることからも熱狂的なビットコイン愛好家であることがうかがえる。とブロックチェーンメディアDecryptが報道しています。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:iStock/PhonlamaiPhoto・Tuadesk)