世界有数のインデックスプロバイダー「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス」が暗号資産(仮想通貨)インデックスソリューションを2021年に提供開始へ

世界有数のインデックスプロバイダー「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス」が暗号資産(仮想通貨)インデックスソリューションを2021年に提供開始へ

世界有数のインデックスプロバイダーであるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P Dow Jones Indices)がニューヨークに拠点を置く大手の暗号資産(仮想通貨)ソフトウェアおよびデータ企業であるルッカ(Lukka)と共同で、グローバルな暗号資産インデックスソリューションの提供を2021年に開始することを12月3日に発表した。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、Lukkaが独自に開発した暗号資産価格データとS&Pブランドにカスタマイズされたインデックス作成およびベンチマークソリューションを連携して提供していく予定だ。

両社がサービス提供を開始する背景には暗号資産市場が醸成していくにつれて、投資家は暗号資産やトークンをベースとしたベンチマークやインデックスベースのソリューションへの関心が高まっていることが関わっているとリリースに記載されている。つまり投資家は信頼性の高い暗号資産の価格設定データへのニーズが高まっているとのことだ。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが提供する暗号資産のインデックス機能によって、投資家はこの新興テクノロジー主導の資産クラスへのアクセスが容易になる。また伝統的に投機的な市場に関連する一般的なリスクは一部を軽減される可能性もあると想定される。

そしてS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのリリースには「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの確立されたインデックスガバナンスと独立性はルッカの機関投資家向け品質データに支えられた一連のブランドインデックスやカスタムインデックスから、多様なエクスポージャーを提供することができます」と記載されている。ちなみにエクスポージャーとは市場の価格変動リスクや特定のリスクにさらされている金額や残高、その比率のことをいう。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのイノベーションと戦略のグローバルヘッドを務めるピーター・ロフマン(Peter Roffman)氏は「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、1世紀以上にわたり、グローバル市場の継続的な成長と進化を反映した革新的で関連性の高いインデックスやベンチマークを作成する先駆者であり続けてきました。暗号資産のようなデジタル資産が急速に新興の資産クラスになりつつある今、独立した信頼性の高いユーザーフレンドリーなベンチマークソリューションが求められる時が来ています。デジタル資産データサービスの最前線で活躍してきたルッカと協力して、この新興セクターの透明性を高めることができることに興奮しています」とコメントしている。

ルッカのCEOを務めるロバート・マテラッツィ(Robert Materazzi)氏は「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスとのコラボレーションは暗号資産のエコシステムと従来の金融サービスとの間のギャップを埋める、新たなマイルストーンです。暗号資産に関するデータを必要とするお客様は、AICPA SOC Controlsなどのルッカの機関品質基準に裏打ちされた、業界で最も信頼できるデータにまもなくアクセスできるようになります。急速に成熟している業界ではS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのような高い評価を得ているブランドと協力して、制度的な基準を構築することが最も重要です。ルッカはS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスと協力して継続的なイノベーションを推進するために貢献できることを嬉しく思っています」とコメントしている。

編集部のコメント

インデックスは金融領域では市場の動きを示す指数を意味します。投資家はインデックスを見て、リスク選定し投資判断を行います。また金融機関はインデックスをベースに投資商品を作成したりします。世界有数のインデックスプロバイダーであるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスはS&P500やダウ・ジョーンズ工業株平均といった金融市場の代表的な指標を算出しています。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが暗号資産インデックスを開発し提供することは、既存の機関投資家や金融企業が暗号資産領域への参入するための大きな後押しとなるのではないでしょうか。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/champc・Myvector・PhonlamaiPhoto)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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