Facebook(フェイスブック)が主導するステーブルコインプロジェクトLibra(リブラ)がDiem(ディエム)にリブランディング
Facebook(フェイスブック)など27社から構成されるLibra(リブラ)協会が暗号資産(仮想通貨)Libraを「Diem(ディエム)」へとリブランディングしたことを12月1日に発表した。これによりLibra協会の名称も「Diem協会」に変更され、運営会社のLibra Networks(リブラ・ネットワークス)もDiem Networks(ディエム・ネットワークス)変更された。
「Diem協会」のプレスリリースによると、Diemとはラテン語で「日」を意味することから、プロジェクトの「新しい日」という意味を込めてDiemというネーミングになったとのこと。
「Diem協会」のCEOであるスチュアート・リーヴィー(Stuart Levey)氏はリブランディングの理由について「Libraという名称は、規制当局からの厳しい圧力を受けたプロジェクトの初期の記憶に縛られていました。私たちはそのプロジェクトの方針を劇的に変えました」とロイターの取材に対して回答している。
さらにプロジェクトの名称変更と同時に、協会及び決済システム運営子会社の組織幹部の編成を刷新することも発表されている。「Diem協会」はトップチームを強化することでFacebookからDiemプロジェクトの独立と自律性の向上を目指すとのこと。
また「Diem協会」はリブランディング後も以前と変わらず「世界中の人々や企業に力を与えるセキュアかつコンプライアンスに準拠した決済システムを構築すること」をミッションに、暗号資産プラットフォームの開発を進めるとのことだ。
編集部のコメント
Libraプロジェクトは金融包摂を必要とする人々への金融アクセスを拡大することを目的として2019年6月にFacebookが発表しました。Libraプロジェクト発表当初は法定通貨バスケット方式のステーブルコインLibraの発行を目指していましたが、規制当局からの圧力により、Libraの開発は中止となっていました。
その後Libra開発チームは2020年4月に法定通貨バスケット方式のステーブルコインの発行から単一の資産に裏付けられたステーブルコインの発行に計画を変更し開発を進めていました。
現在Diem開発チームはスイスの規制当局である金融市場調査局(FINMA)と対話を進めており、FINMAによって決済サービスのライセンスが認可され次第、最初のステーブルコインであるDiemドルの発行が行われると見られています。フィナンシャルタイムズによると、早ければ来年1月にはライセンスの取得が完了すると予測されています。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
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