高級時計ウブロ(Hublot)が偽造品対策のためブロックチェーンソリューションを導入
スイスの高級時計ブランドのウブロ(Hublot)がケークエスト(KerQuest )と提携し、すべての時計に電子パスポートと保証システムを導入したことを11月22日にウブロが発表した。ケークエストはスマートフォンの写真から物体を正しく認識できるソリューションを開発している企業。ウブロとケークエストは2017年に提携し、様々な技術開発に取り組んできている。
この新技術は偽造品対策と商品の保証開始のプロセスをよりシンプルにすることを目的としているとのこと。電子保証システムはウブロの親会社であるラグジュアリーブランド企業LVMHが運営するオウラ・ラグジュアリー・ブロックチェーン・ネットワーク(AURA luxury blockchain network)に登録される。このソリューションは2020年以降に製造されるウブロの全モデルに対応するようだ。ウブロは40年間にわたり時計の原材料を活かしながら、プロダクトを生み出し時計そのものの差別化を図ってきているので、ケークエストのAIやデータ認証技術を用いてそれぞれの時計を認識し真正性を証明しやすいとのこと。
具体的には時計の生産が開始されると同時に写真撮影が行われ、そのあと時計が販売されると、販売店はウブロの電子保証アプリケーションを使用して時計の表面の写真を撮影し、その写真をサーバーに送信して処理を行い、サーバーで処理され、本物であれば保証が有効になる。そして最終的に顧客は選択したチャンネル(SMS、電子メール、WhatsApp、WeChat、Instagram、Messengerなど)を通じて電子署名を受け取ることができる。
編集部のコメント
Ledgerinsightsの報道によれば2016年のOECDの推計では偽造品は世界の輸入品の2.5%、ヨーロッパでは5%近くが流通しているとされているとのことです。さらに2018年には、高級ブランドはオンライン上の偽造品だけで303億ドル相当の売上を失っているようです。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStock/Vladyslav-Severyn・Who_I_am)