シスコとDHLがブロックチェーンソリューションの開発で提携

シスコとDHLがブロックチェーンソリューションの開発で提携

米シスコ(Cisco)とドイツの国際輸送物流会社DHLがブロックチェーンソリューションの開発で提携していたことが11月16日に明らかになった

シスコとDHLは、荷物の発送、荷物の追跡や荷物をトレースするのための両社のシステムを統合することを目的にブロックチェーンベースのゲートウェイを開発するために緊密に協力したとのこと。シスコはこのソリューションを開発したことによって、現在のB2Bのインフラストラクチャとサポートに比べてコストを節約でき、拡張されたデータは顧客サービスを向上させると考えているようだ。つまり顧客の透明性が向上し、問い合わせが減り、それに対応するために必要な時間が短縮され、さらにシステムエラーを減らす可能性を示している。

両社が開発したサービスのアーキテクチャには、異なるクラウドサービスプロバイダー上で動作する異なるブロックチェーンプラットフォーム(Hyperledger FabricとDHL BLESS)とサプライチェーンデータの可視性と監視のためのダッシュボードツールであるSplunk App for Hyperledger Fabricを備えたスプランク(Splunk)のインスタンスの使用が含まれているようだ。 またこのソリューションは分散型クラウドサービスのAWSとAzureでホストされているとのこと。

シスコのブログによるとシスコのサービスサプライチェーンは120カ国以上の顧客に先進的なハードウェアの交換を提供しており、シスコのサービス事業を支える重要なサービス提供コンポーネントとなっているようだ。

シスコのビジネスオペレーションマネージャーのエリク・アルバーツ(Erik Alberts)氏は「サプライチェーン業界全体としてはブロックチェーンをベースとしたソリューションの標準化と開発に向けて、まだまだやるべきことがありますが、今回のシスコとDHLのパートナーシップはこの技術の実行可能性とサプライチェーンの効率性をさらに向上させながら、顧客体験を向上させる可能性の両方を実証しました。このパートナーシップは戦略的パートナーがどのようにしてイノベーションを推進できるかを示す素晴らしい例となりました」とコメントしている。

編集部のコメント

シスコのブログではブロックチェーンソリューションの開発によって改善されたポイントが以下のように記載されています。

・現在のB2Bソリューションと比較して、パートナーの導入までの時間が改善された。
・コンソーシアムの単一の進化を行い、サプライチェーン内のすべてのパートナーに一度に複製することができる(一度に変更するのではなく、多くの変更を行う)。
・現在のB2Bデータのエラーや例外の実行率を削減できる可能性がある。
・現在のアーキテクチャを将来の標準へと進化させる。
・レポート機能の強化。
・現在のB2Bインフラストラクチャとサポートに比べてコストを削減。 ・データを拡張して、顧客サービス体験を向上させる。
・付加価値の高いサービスを構築するための将来のプラットフォームになる。

2020年2月19日に、シスコはNECと安全保障領域や重要産業インフラ向けにブロックチェーンを活用しサプライチェーン管理を強化したネットワーク機器を提供することを発表しています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/antoniokhr)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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