トランプ大統領が第32代米国通貨監督庁会計監督官にブライアン・ブルックス氏を任命
ドナルド・トランプ大統領が第32代の米国通貨監督庁(OCC,Office of the Comptroller of the Currency)会計監督官にブライアン・ブルックス(Brian Brooks)氏を任命したことが11月17日に明らかになった。なお現在ブルックス氏は2020年4月1日より米国通貨会計監督代理として、連邦銀行システムの管理者であり、通貨監督庁の最高責任者を務めていた。
ブルックス氏が通貨監督庁会計監督官へ正式に就任するためには、米国上院の承認を得なければならない。なお米国上院議会は2021年1月3日から新しい議会の会期が始まる予定だ。
ブルックス氏は2018年に米暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースの最高法務責任者を務めた。また連邦銀行が暗号資産の保管や、不換紙幣をバックにしたステーブルコイン発行者のための資金を保有することを認めるガイダンスを発表した実績などがある。
ブルックス氏は「会計監督官の使命は連邦銀行や連邦貯蓄協会が安全、健全、公正な方法で運営されていることを保証することによって、米国人一人ひとりに利益をもたらすことです。通貨監督庁は連邦銀行システムがサービスを提供している何億人もの顧客のために、資本と信用への公正なアクセスを促進することを目的としています。私たちは銀行が日々の重要な活動を行うために企業や地域社会が依存している金融サービスを提供できるように努力しています。3,500人を超える通貨監督庁のスタッフは、米国の銀行システムが世界で最も尊敬され、経済と国家の強力な力の源であり続けるためにたゆまぬ努力を続けています」と声明文に記載している。
またブルックス氏は「会計監督官として157年の歴史を持つこの使命に貢献できることを誇りに思います。もし承認されれば私はこの機関がその重要な使命を果たし続け、この機関の全ての人がその職務を成功させるために必要な資源、訓練、リーダーシップを持っていることを確実にするために絶え間なく働くつもりです」とも記載している。
編集部のコメント
通貨監督庁(OCC)は米国において、連邦法免許を受けて営業する国法銀行に対して監督権限を有する財務省の内部機関のことです。通貨監督庁は政府内で独立性の高い機関であり、全ての国法銀行に対して、免許や合併、業務などの監督権限を有し、申請却下や営業停止など強制的な手段も執行することができます。ブルックス氏はブロックチェーンや暗号資産(仮想通貨)に関して深い理解を持っています。そのような人物がアメリカの通貨監督庁のトップに5年間の任期で就任すれば、ブロックチェーン領域を推進する上で大きな追い風になるかもしれません。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStock/liuzishan・Lidiia-Moor・antoniokhr)