Gaudiy(ガウディ)がソニー・ミュージックエンタテインメントと業務提携
株式会社Gaudiy(ガウディ)が株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントと、エンタテインメント産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のため業務提携を締結したことを11月16日発表した。
Gaudiyではブロックチェーン技術などを活用し、エンタメ領域のデジタル化を推進するといったトークンエコノミー事業を展開している。日本が誇るIPコンテンツから世界規模のビジネス展開を目指し、漫画やアニメ、ゲーム、スポーツ、アイドル領域を中心としたIPコンテンツのコミュニティサービス事業を展開するほか、エンタメ企業とともにコミュニティ内外で利用可能なソリューションを共同開発している。
Gaudiyとソニー・ミュージックエンタテインメントの2社はすでに、ソニーミュージックグループに所属するアイドルグループのファンに対して、ブロックチェーンを一部活用した実証実験を始めているとのこと。
先月10月よりGaudiyは、週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画『約束のネバーランド』のブロックチェーンを活用したコミュニティサービスの提供など、ブロックチェーン技術を活用したコミュニティサービスを提供し、IPコンテンツ事業者に直接顧客接点をもつ機会を創出している。またGaudiy開発のブロックチェーンを活用したDID(分散型ID)「Gaudiy-DID System」を活用して一つのIPを軸にビジネスを展開する異なる企業間のサービス連携を実現している。それによりGaudiyはコミュニティ内外のさまざまな接点で一貫したユーザー体験を提供できる、「IPコンテンツ中心型」の新たな顧客体験とビジネスモデルの創出を目指している。
あたらしい経済編集部がGaudiyへ問合せを行ったところ、今回のソニーミュージックエンタテインメントとの提携も、アイドルグループなどを対象にしたコミュニティサービスの提供と「Gaudiy-DID System」を活用したIPの関連サービス全体の継続的な連携を支援するとのことだ。
なおGaudiyは今回の提携発表と同日の11月16日に、STRIVE株式会社を引受先としてシリーズAラウンドにおいて3億円の資金調達を実施したことも併せて発表している。今後Gaudiyは日本が誇るIPコンテンツを軸としたグローバル展開や大手企業とのソリューション共創事業の推進に注力し、事業拡大・採用強化を加速するとのことだ。
編集部のコメント
現在Gaudiyでは、ブロックチェーン技術を活用したBtoCコミュニティサービス提供の他、研究機関や大学教授らと共に、先端的な技術・理論を用いた実証実験、論文発表を行うなど、R&D事業にも注力しています。
Gaudiy(ガウディ)と慶応大学坂井豊貴教授が共同でブロックチェーン上に発行したコンテンツを販売するための新オークション方式「Gaudiy-Sakai方式」を開発
またガウディは「Gaudiy-DID System」を提供する背景として、異なる企業が運営するプラットフォームを通して消費者へ提供されるIPコンテンツビジネスにおいて、システムの開発コストやユーザーの個人情報を扱うセキュリティ面の対策コストなど「サービス間の連携コストの高さ」があり、各企業やサービスで連携した価値提供を行うことが難しく顧客接点を持つプラットフォームやサービス単体で取得データを元にした個別最適な価値提供に留まってしまっていると説明しています。
そこで「Gaudiy-DID System」を活用することで、これらコストを大幅に削減し、関連サービス全体の継続的な連携を支援するとのことです。それによりこれまでのアニメ、ゲーム、マンガなど単体でのサービス提供から、IPコンテンツを中心とした横断的な顧客体験の提供を実現するとのことです。
なお「Gaudiy-DID System」に利用されているブロックチェーンは、コンソーシアム型のQuorum(クオーラム)です。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock/Irina-Shibanova)