楽天トラベルのグローバル版がブロックチェーン基盤のデジタルアイデンティティサービスを導入
楽天が運営する楽天トラベルのグローバルサービス版である「楽天トラベル・エクスチェンジ(Rakuten Travel Xchange)」が、ブロックチェーン基盤のデジタルIDサービスを提供するシェアリング(ShareRing)と提携することが11月11日に明らかになった。
シェアリングはグローバルでブロックチェーンの導入促進を目指し、旅行、シェアリング、オンデマンドエコノミーのための統一エコシステムを構築している企業だ。またシェアリングの広報担当者がCoinDeskに語ったところによると、サービス提供は今後2週間以内に行われるとのこと。
楽天トラベルとシェアリングの提携によって、シェアリングのAPIに接続している企業やパートナーは、シェアリングID(ShareRing ID)とシェアレジャー(ShareLedger)を活用して楽天トラベルのホテルや賃貸物件を迅速かつ低コストで安全に予約する方法をユーザーに提供することが可能に。
楽天トラベルエクスチェンジのCEOを務めるジョシュ・ジーグラー(Josh Ziegler)氏「楽天グループは日本のみならず世界中で革新的なEコマースやトラベルソリューションを開発していることに誇りを持っています。シェアリングの独自の自己主権型IDモデルは、業界の大きな発展であり、旅行業界の技術的進歩をさらに向上させるためにシェアリングが何をもたらすか期待しています」とコメントしている。
シェアリングのCEOであるティム・ボス(Tim Bos)は「世界中で10億人以上の会員にリーチしている世界最大級の旅行会社と提携できることを大変嬉しく思っており、業界のためにセキュリティと利便性をアップグレードしたプラットフォームへのアクセスをユーザーに提供できることを楽しみにしています」とコメントしている。
またシェアリングは国境をなくすというビジョンのもとオープンワールドパスポートを開発している。オープンワールドパスポートはブロックチェーンをベースにした技術を使用してプライバシーを確保しながら、個人の健康データと連動したものとなる。
編集部のコメント
シェアリングはメインで4つのサービスを提供しています。その4つとは「One login、One payment、One app、ShareRing ID」です。
One loginとは一度個人情報を登録すれば、複数のログインや複数の旅行アプリを利用する必要なく、旅行サービスを利用できる機能です。
2つ目のOne paymentとは旅行者のすべての旅行ニーズに対応するためにアプリ内でワンステップで決済処理が行われるサービスです。
3つ目のOne Appとは旅行の際に必要な航空機やレンタカーの予約など様々な予約を1つのアプリで行うことができるサービスです。
最後4つ目のShareRing IDとは自分のIDは自ら管理できる自己主権型のID提供サービスです。ユーザーはIDをどこに、どのように保存するかを選択できます。
またシェアリングはサービス内のユーティリティートークンとしてShareToken (SHR)、サービス内の決済用通貨として SharePay(SHRP)の2種類の通貨を発行しています。
SHRはバイナンス・デックス(Binance DEX)やビッサム(Bithumb)で取り扱われています。
そして2020年9月にシェアリングは中国政府が運営するブロックチェーンコンソーシアムのブロックチェーンサービスネットワーク(BSN)に採択されています。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStock/Yevhen-Lahunov)