サッカークラブチームCRヴァスコ・ダ・ガマが連帯貢献金の権利をトークン化
ブラジルのリオデジャネイロを拠点とするサッカークラブチーム「CRヴァスコ・ダ・ガマ(CR Vasco da Gama)」が国際サッカー連盟(FIFA)の定めている連帯貢献金制度について、その権利をトークン化する計画を11月5日に発表した。
連帯貢献金(ソリダリティ・コントリビューション )制度とは、プロ選手が移籍金(契約解除金)の発生する国際移籍をした際にその選手が満12歳~満23歳の期間で選手登録していたクラブに対し、移籍先クラブから発生した移籍金の5%にあたる金額を分配した上で支払われる仕組みである。
このトークンの保有者はヴァスコ・ダ・ガマが受け取る連帯貢献金を一定割合にて受け取る権利を持つことができる。ヴァスコ・ダ・ガマは同クラブのユースに所属し現在は移籍をしている12名の選手を対象に、このトークンを発行する予定だ。
なおこのトークン名については数日中には決定し、2020年12月末までに発行をする予定とのことだ。
ヴァスコ・ダ・ガマはこのトークン化プロジェクトのためにブラジル最大の暗号資産(仮想通貨)取引所メルカド・ビットコイン(Mercado Bitcoin)のグループ企業であるMBDA(Mercado Bitcoin Digital Assets)社と契約を締結しているとのこと。またこのプロジェクトの法的問題を解決する為にブラジルの証券委員会(CVM)と協議を行い、トークンが証券として扱われないことを確認したとのことだ。
編集部のコメント
サッカークラブ×トークンの事例として、ブロックチェーンインフラ企業である「チリズ(Chiliz)」が運営する公式ファントークン発行プラットフォーム「Socios.com」や、ブロックチェーンを利用したサッカーゲーム「ソーレア(Sorare)」があります。
なお「Socios.com」を利用することでユーザーは、ファントークンを獲得しユニフォームデザインに関する投票などに参加することができます。トークンの保有者はチャット、トークン取引、ゲーム、コミュニティ内チャレンジなど「Socios.com」の他の機能にも参加することができます。
また「ソーレア」ではゲーム内で利用するサッカークラブの選手のカードがNFT(Non-fungible-token)として発行されています。
チリズはFCバルセロナ、ユベントス、パリ・サンジェルマン、アトレティコ・デ・マドリード、ガラタサライ、ASローマなどとパートナーシップを提携しています。
ソーレアはフランスを拠点とする企業であり、ユベントスやアトレティコや日本のJリーグ、韓国のKリーグ、アメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)とも提携をしています。
なお連帯貢献金については、2012年7月1日にボルシア・ドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドFCへ移籍した香川真司選手の移籍金15億円のうち2千万円強が、香川選手が12歳から16歳まで所属していたFCみやぎバルセロナに支払われたことが日本でも話題になりました。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock/LeoTroyanski)