三菱UFJフィナンシャル・グループと米アカマイの子会社GO-NET Japanが開発する決済サービスが2021年に利用開始か
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が米アカマイ・テクノロジーズと共同で設立した子会社GO-NET Japanで、ブロックチェーン基盤を使った高速・大容量の決済ネットワークサービスを2021年に始める予定であることを11月2日に日本経済新聞が報じた。GO-NET JapanはMUFGが80%、アカマイ・テクノロジーズが20%の株主持分として設立された会社で、 取締役会長はMUFGの亀澤宏規(かめざわひろのり)社長が務めている。
この報道によるとGO-NET Japanが開発するブロックチェーン基盤の決済ネットワークは、大量のデータを従来よりも低コストで高速処理できクレジットカードの少額決済などにも応用する方針があるとのことだ。また2021年の夏には複数のカード会社や飲料ボトラーなどと組んで、自動販売機でクレジットカードをかざして使う「タッチ決済」ができる少額決済サービスも始める予定もあるとのこと。
またこの新サービスのトランザクションに関しては、1秒に10万件の取引が処理でき、将来的には100万件、1000万件超まで拡張できる見込みがあるとのことだ。
今後GO-NET JapanではIoT時代での多様なシーンの実現に向け、サービスのさらなる拡充を検討していくとのことだ。
編集部のコメント
GO-NET Japanの決済サービスはブロックチェーンが有する利点を損なうことなく、予てから弱点と考えられていた「取引速度」「処理容量」の問題を克服し、世界139ヵ国で配備されているAkamaiのグローバルな既存インフラを活用することにより、高速・安全・安価なプラットフォームを構築しているとコーポレートサイトに記載されています。またGO-NETの展開イメージとして、GO-NETは既存の決済分野だけではなく、IoTやサプライチェーン等における「取引・契約行動とシームレスに連動した決済手法の構築」や、ヘルスケア領域等における「重要データの大量・高速処理、且つ改ざんのできないセキュアな環境での保管」など、多様なユースケースでの活用を検討しているとのことです。
GO-NET Japanは最終的に幅広い領域のビジネスを支える社会インフラとして、多くの企業の役に立つことを目指しているとのことです。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStock/pgraphis)