カナダ銀行の中央銀行デジタル通貨(CBDC)プロジェクトが概念実証フェーズから実行フェーズへ
カナダの中央銀行であるカナダ銀行はG7加盟国と協力して中央銀行デジタル通貨(CBDC)の計画に取り組んでおり、そのCBDCプロジェクトは概念実証フェーズを終えていることを10月29日ロイター通信が報じた。
カナダ銀行総裁のティフ・マックレム氏は「CBDCの取り組みは世界的に調整されてきているアプローチを追加して、現金の突拍子のない利用のされ方を防止し、犯罪者によって使用されているようなツールを維持するために必要性が生まれてきた」とロイター通信に語っている。
マックレム氏は「中央銀行はデジタル・ルニー(Digital loonie)の概念実証(PoC)から、より完全に実行可能な計画へと移行する作業を進めているが、今すぐにデジタル・ルニーの必要性はない。ただもし他の国がCBDCを発行していて私たちが発行していなければ、確かにいくつかの問題が発生する可能性がある。だから私たちはCBDCの準備ができているかどうかを確認したいのだ」ともロイター通信へ語っている。
編集部のコメント
国際決済銀行(BIS)はカナダ銀行を含めた中央銀行7行と共に中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関するレポートを10月10日公開しています。このレポート「中央銀行のデジタル通貨:基本原則とコア機能(Central bank digital currencies: foundational principles and core features)」は、BIS、カナダ銀行、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行、スウェーデン国立銀行、スイス国立銀行、イングランド銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)による共同報告となっています。カナダ銀行は2020年6月11日に中央銀行デジタル通貨におけるプロジェクトマネージャーの募集を開始していて、注力領域であることは間違いないと考えられます。現段階でカナダ銀行はCBDCの何をどう検証できたのか気になるところです。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
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