中国アント・グループ(Ant Group)がブロックチェーン基盤のデジタル著作権サービスを発表

中国アント・グループ(Ant Group)がブロックチェーン基盤のデジタル著作権サービスを発表

中国アリペイ(Alipay)などの親会社であるアント・グループ(Ant Group)がブロックチェーンプラットフォーム「アント・チェーン(AntChain)」を利用したデジタル著作権サービスプラットフォームを10月22日に発表した。

このデジタル著作権サービスプラットフォームは何百万人ものクリエイターがより効率的かつ低コストで著作権を検証し保護することを支援するために開発された。

このデジタル著作権サービスプラットフォームはブロックチェーンとAI技術を活用することで、コンテンツ制作者が音楽の楽譜からビデオ、画像、記事や小説に至るまで、さまざまなオリジナル作品を迅速に認証・検証できるようにするとのこと。

クリエイターが作品をこのプラットフォームにアップロードすると、プラットフォームはまずそのコンテンツがデータベース内に存在する唯一のものであるかどうかを確認するという。その後作品に関する基本情報と公証人のスタンプを含む独自のデジタル著作権証明書が生成されるとのこと。またこれらの改ざん防止証明書は著作権侵害や不法行為事件の証拠として提出できるとのことだ。

さらにこのデジタル著作権サービスプラットフォームはクリエイターが著作権侵害の可能性を効果的に監視してフラグを立てることができる識別・検索サービスを提供しており、知的財産所有者がオリジナルコンテンツを検証して保護することを容易にし、コストを削減できるとのこと。

アント・グループの先端技術ビジネスグループのプレジデントを務めるグーフェイ・ジャン(Guofei Jiang:姜国飛)氏は「アント・チェーンは複数の関係者間の信頼関係を構築し、著作権業界の現実の問題を解決する上で、極めて重要な役割を果たすことができると信じています。アント・チェーンを搭載したデジタル著作権サービスのプラットフォームは、クリエイターが作品を認証・保護しようとする際に一般的に遭遇する問題点を解決するために特別に設計されました」とコメントしている。

編集部のコメント

中国を代表するデジタル楽譜著作権流通ネットワークである上海中興音楽文化有限公司は、デジタル著作権サービスプラットフォームの試用期間中、最初のパートナーの一社となっているとリリースに記載されています。

これにより実際に上海中共音楽文化のネットワークに参加している音楽家は、自分のオリジナル作品をプラットフォームにアップロードする際に、デジタル著作権の証明書を確保できるようになっています。

またアント・チェーンは音楽家と販売業者の収益を記録できるスマートコントラクトを作成していて、作品の販売に成功するとスマートコントラクトが起動し、収益は自動的に音楽家と上海中信音楽文化に分配されるようになっているようです。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/(StudioM1・Who_I_am)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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