(追記あり)LINEが中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発支援へ

LINEが中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発支援へ

メッセージングアプリを手掛けるLINEがアジア主要国の中央銀行へ向け、中央銀行デジタル通貨(CBDC)開発支援に乗り出したことをTheBlockが10月20日報じた

TheBlockの報道によると、LINE広報担当者が「LINEブロックチェーンをベースにCBDCにフィットしたブロックチェーンプラットフォームを提供することを目指している」と証言をしているとのことだ。

また韓国のITメディアであるIT Chosunの報道によると、現在LINE社はアジア主要国の中央銀行とブロックチェーンプラットフォーム技術の適用を議論しているとのことだが、「現在の議論を行っている国を明らかにするのは難しい」とLINE関係者は答えているとのことだ。

あたらしい経済編集部はLINE株式会社の広報担当者に対し、事実確認を行ったところ「事実である」と回答をもらった。また対象国についても問合せを行ったが、他の報道と同様に「具体的な国名については回答を差し控えます」とのことだった(2020.10.21 17:00追記)。

編集部のコメント

まずCBDCの技術基盤としてブロックチェーン採用可否の判断が求められますが、CBDCの開発にブロックチェーンを利用するとした場合に大きく2つの課題が存在しています。エンタープライズブロックチェーンやイーサリアムのパブリックブロックチェーンではCBDCのリテール型が求める技術安定性、拡張性、処理速度、個人情報保護、システム復元性が不十分だと考えられています。その点において、LINE社はLINE Payにおけるリテールサービスの経験と独自トークンLINKの発行、ブロックチェーンプラットフォームであるLINE Blockchainの運営を行っています。IT ChosunによるとLINE社はこのような実績から、CBDCのリテール型への対応に期待がされているとのことです。

なおCBDCには、金融仲介機関の資本決済を想定する大口取引(ホールセール)型と企業や個人など幅広い利用者を想定する一般利用(リテール)型があります。

コメント:大津賀新也(あたらしい経済)

(images:iStock/bakhtiar_zein)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【11/1話題】イミュータブルがSECからウェルズ通知、アルゼンチンLABITCONFがサトシの正体明かすと告知など(音声ニュース)

イミュータブルが米SECからウェルズ通知受ける、「IMX」証券性の疑いか、アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開、Crypto[.]comがSEC登録ブローカーディーラー買収、米国ユーザーに株式取引機会提供へ、セキュリタイズ、トークン化資産の管理機能統合の「Securitize Fund Services」立ち上げ、米マイクロストラテジー、「21/21プラン」で420億ドル調達を計画、ビットコイン購入資金で、BIS、中国主導の「中銀デジタル通貨」プロジェクトから離脱、Sui対応の携帯型ゲーム機「SuiPlay0X1」、格闘ゲーム『サムライスピリッツR』リリースへ、ヴィタリック、イーサリアム最後のチェックポイント「ザ・スプラージ」解説、バイナンス共同創業者、「Web3が身近な社会実現目指す」と語る。伝統的金融や規制当局と協力の姿勢も=BBW

Sponsored

アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知(有識者コメントあり)

アルゼンチンで11月1日から開催されるビットコイン(Bitcoin)のカンファレンス「LABITCONF(Latin American Bitcoin & Blockchain Conference)」にて、ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトが自身の正体を明らかにすると、同カンファレンスの公式Xよりプレスリリースが出された

フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開

米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)が、「オンチェーン米国政府マネーファンド(OnChain U.S. Government Money Fund:FOBXX)」をイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2(L2)ブロックチェーン「ベース(Base)」上でローンチした。フランクリン・テンプルトンが公式Xにて10月31日発表した