SBIとスイスのシグナム(Sygnum)銀行がデジタル資産関連企業に投資する共同ベンチャーファンド設立へ合意
SBIホールディングス株式会社がスイスのデジタル資産銀行のシグナム(Sygnum)銀行グループと、デジタル資産関連企業に投資するファンドを共同設立することについて合意したことを10月6日発表した。
このファンドは東南アジアとヨーロッパ地域を中心に、主に金融市場インフラとDLT(分散型台帳技術)に関連するエンタープライズ・ソリューション分野における革新的なテクノロジーを保有するアーリーステージの有望なスタートアップを投資対象とするベンチャーファンドとのこと。
SBIの発表によるとこのファンドはSBIの子会社であるシンガポールのSBI Ven Capital Pte. Ltd.が運用し、デジタル資産分野の先駆者であるSBIグループとヨーロッパのデジタル資産銀行の先駆けであるシグナム銀行グループの両社が相互補完的にもたらすデジタル資産・金融サービス・フィンテック全域にわたる深い専門知識やアジアとヨーロッパに跨る両社のネットワークをフル活用していくとのこと。
またこのファンドは投資先に対してSBIグループとシグナム銀行グループが持つ経営資源を活用した事業支援やコーポレートガバナンス面での支援を行うとのこと。その他将来的にはSTO(セキュリティトークンオファリング)を通して市場から直接資金調達を行うための支援も予定しているとのこと。
また一方で、より多くの投資家に対して出資機会を提供し出資後のファンド持分の流動性を高める可能性を提供するために、このファンドではファンド持分をトークン化することで、新しい資金調達手段としてのセキュリティトークンの普及・利用促進を図るべく、最先端のテクノロジーを活用して投資家と企業・発行体との架け橋となることで、デジタルアセット関連事業の拡大に取り組んでいくということだ。
編集部のコメント
シグナムはスイスとシンガポールに拠点を持ち、両国でデジタル資産銀行の運営を行っている企業です。
シグナムは昨年8月にスイス金融市場監督局(FINMA)から銀行と証券のディーラーライセンスを取得しています。またシンガポール金融管理局(MAS)から証券業、先物業、ファンド・マネジメント業(資産運用業)に関わる資本市場サービス(Capital Markets Services; CMS)ライセンスを昨年10月に取得しています。
シグナムは3月にスイスフラン(CHF)と連動したステーブルコインをローンチしたことを発表しています。
SBIのプレスリリースでも紹介されているようにシグナムはデジタル資産のスペシャリストです。また過去2年間、スイスでのデジタル資産に関連する数々のベンチャー企業の立ち上げにおいても、重要な役割も果たしているとのことです。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock/BadBrother)