互いの戦略折り合わず、TAOTAOがバイナンスとの戦略的提携に関する交渉を終了
国内暗号資産(仮想通貨)取引所TAOTAOを運営するTaoTao株式会社が、大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)を運営するBinance Holdings Limitedと日本市場における戦略的提携に向けた交渉を終了したことを10月5日発表した。
両社の日本市場における戦略的提携に向けた交渉は今年1月17日に開始していた。TAOTAO関係者によると「TAOTAOとバイナンスは直接会って交渉に臨んでいた」と情報は入っていたが、その後続報が無い状態だった。
あたらしい経済編集部は交渉終了に関してTAOTAO関係者への取材を行ったが「お互いの戦略が折り合わなかった」という回答以外の詳細は得られなかった。
編集部のコメント
バイナンスは2018年3月に金融庁より、資金決済法に基づく交換業登録を行わず、日本居住者向けに無許可営業を行ったとして警告を受けており、 これに伴いバイナンスは日本語サービスを中止し、今年の1月16日には日本居住者向けのサービス提供を段階的に終了すると発表していました(なおこの翌日にバイナンスはTAOTAOとの交渉を発表しました)。
あたらしい経済編集部では両社の交渉開始発表に際し、バイナンスのCEOであるCZ(Changpeng Zhao)氏に取材を行っています。その取材の中でCZ氏はTAOTAOとの交渉を進めた理由を「TAOTAOは日本で共に働くのに最適なパートナーだと思うから」と回答しており、また日本での将来的なビジネス構想については「TaoTaoとのパートナーシップがあるので、TaoTaoのビジネスのスコープに従います。ビジネスを行う以上、ルールに従わなければなりません。例えどの国であっても、私たちはルールに従う必要があります」と回答をしていました。
この交渉が終了したことによりバイナンスの日本市場への進出は遠のいたとみられますが、今後どのような方法をとって日本にアプローチをしてくるかは、引き続き注目です。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock/antoniokhr)