中国の上海証券取引所が株式上場・取引プロセスの標準化のためのブロックチェーンを使ったパイロットシステム発表

中国の上海証券取引所が株式上場・取引プロセスの標準化のためのブロックチェーンを使ったパイロットシステム発表

中国の上海証券取引所が株式上場・取引プロセスの標準化のためのブロックチェーンのパイロットシステムを発表したことを9月30日にレジャーインサイツ(Ledgerinsights)が報道した。

上海証券取引所のブロックチェーンシステムのパイロットシステムの進捗は順調なようで、企業、仲介者、投資家のための全てのデータがオンチェーン上で提供されるようになっているよう。現在のユースケースとして上場、カストディ、取引、資本管理、情報開示が含まれているとのこと。

上海取引所のブロックチェーンのパイロットシステムは、紛失防止、改ざん防止、トレーサビリティ、拡張性などの機能を最大限に活用し、スマートコントラクトとUTXO技術を革新的に利用しオンチェーンへデータのアップロードを実現しているようだ。そして申告データと規制データの信頼性、トレーサビリティ、完全性を確保している。これにより規制当局による監督や監査の実施コストが下げられるとのこと。

またこのパイロットシステムは、データのプール化とデータの共有化を実現し、データ配分の不均衡を緩和し、資本市場が十分に機能していない現実を補い、資本市場の業務プロセスの長さ、高い業務運営コスト、多重監督、一貫性のない基準、中央集権的な信用構造の存在などの問題を解決し、市場規制の効率を向上させ、資本市場の信用コストを削減し、資本市場の与信管理システムを再構築することを可能にしていく狙いもあるとのことだ。

そして将来的にはこのパイロットシステムを中国34の証券取引所すべてのバックオフィス管理のテンプレートとして使用し、潜在的にそれらを一元化したいようだ。ちなみに9月30日に北京証券取引所がブロックチェーンカストディシステムを稼働させている。

編集部のコメント

上海証券取引所のブロックチェーンプラットフォームは、中国国内で初めて作成されたブロックチェーンプロトコルの1つである「WuTongChain(ウートンチェイン)」を採用しています。このオープンソースのブロックチェーンは、蘇州政府と同済大学のジョイントベンチャーである「同済ブロックチェーン研究所」によって開発されました。このブロックチェーンには、上海銀行、上海保交所、バオスティール(宝鋼)、コスコ(COSCO)、ユニオンペイ(UnionPay)などの大物パートナーが存在しています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/LuckyStep48・KrulUA・NatanaelGinting)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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