米国下院で「ブロックチェーン・イノベーション法」と「デジタル分類基準法」が可決

米国下院で「ブロックチェーン・イノベーション法」と「デジタル分類基準法」が可決

米国下院で「ブロックチェーン・イノベーション法(Blockchain Innovation Act)」と「デジタル分類基準法(Digital Taxonomy Act)」の2つの法案が9月29日に可決されたことが明らかになった

ブロックチェーン・イノベーション法は、商務長官が連邦取引委員会(FTC)と協議の上、ブロックチェーン技術とその消費者保護への利用について研究・報告することが求められる法案。研究の目的は消費者保護のためのメリットやリスク、詐欺を減らす能力などブロックチェーンが商業的にどのように利用できるかを探ることだ。なお「ブロックチェーン・イノベーション法」の最終的な目標は、商務省内に「ブロックチェーン・センター・オブ・エクセレンス」を形成することとのこと。

デジタル分類基準法はデジタル・トークンに関連した欺瞞的で不公正な行為を防止するために連邦取引委員会に権限を与え、研究・報告を求める法案。議会は連邦取引委員会の具体的な行動に関する報告書を受け取る必要がある。特に報告書にはデジタル資産の分野における欺瞞的な慣行から消費者を保護し、アメリカの国際競争力を促進するための法案の提言を盛り込む必要があるとのこと。また報告書作成と提言の報酬として連邦取引委員会は2020年から2024年までの各会計年度に2,500万ドルを受け取る予定とのこと。

この2つの法案はフロリダ州のダレン・ソト下院議員が提出したもので、上院でも法案が可決されれば消費者安全技術法に組み込まれる予定だ。

ダレン・ソト下院議員は「ブロックチェーン技術はイノベーションと経済成長のために信じられないほどの可能性を秘めています。私は政府がその成長をサポートし、確実性を確保し、イノベーションを保護し、不正行為を止め、政府、企業、消費者に適切な利用を可能にするために、軽いタッチの規制を確立する必要があると信じています。ブロックチェーン・イノベーション法で義務付けられた研究は、規制効果のある法案が通過する前に、政府機関が提言を行う機会を与えることを意味する出発点です。これらの提言は議会のメンバーに対して教育的な機能を果たし、より実行可能なブロックチェーンに焦点を当てた法案への道を開くことになるでしょう」とコメントしている。

さらにダレン・ソト下院議員は「アメリカがブロックチェーン技術でリードし続けることを保証することは、議員としての義務です。デジタル分類基準法は、アメリカの強力なデジタル資産市場のための管轄権をより明確にします。元の法案の修正版はイノベーションと消費者保護のイニシアチブを推進する上で、デジタルトークンとブロックチェーン技術の重要性を強調しています。法案は連邦取引委員会に、連邦取引委員会がどのようにして不当で欺瞞的な行為や慣行から消費者を保護しているかを詳細に説明し、さらなる勧告を行う報告書を作成するよう指示しています。規制当局の意見を聞くことはイノベーションを促進し、米国経済のために仮想通貨の可能性を最大化することを目的とした規制の明確化を促すための重要な第一歩です」とコメントした。

編集部のコメント

「ブロックチェーン・イノベーション法」と「デジタル分類基準法」のいずれも政府関係者のための法案です。政府関係者がブロックチェーン技術や暗号資産を含めたデジタル資産の現状や課題を半ば強制的に研究し、報告するためのものです。この2つの法案を通して政府関係者がブロックチェーン技術やデジタル資産への知識を深め、アメリカ経済や国民のために適切な規制を生み出すことが最終的な目標であると考えられます。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/denis_pc・Lidiia-Moor・antoniokhr)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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