Tether(テザー)がEthereum(イーサリアム)で稼働の300万USDTをOMG Networkに移行
Ethereum(イーサリアム)上で稼働する300万USDT(約3.1億円)がイーサリアムのセカンドレイヤーソリューションであるOMG Network(オーエムジーネットワーク)上に移行したことが、USDTを発行するTether社のCTOであるPaolo Ardoino(パウロ・アルドイーノ)氏のツイートによって8月28日明らかになった。
Tether社は今月19日にTetherとOMG Networkの統合が完了したことを発表していた。この統合でTetherが稼働するブロックチェーンはAlgorand、Ethereum、EOS、Liquid Network、Omni、Tron、OMG Networkの7つとなっている。
OMG Networkによると、イーサリアムからOMG NetworkへのUSDTの移行はイーサリアムのガスプライス(送金手数料)高騰に起因しているとのこと。
OMG Networkの利点はイーサリアムのセキュリティを担保しつつトランザクションにかかる費用を抑えることができる点であり、OMG NetworkのCEOであるVansa Chatikavanij(バンサ・チャティカビニ)氏は「OMG Networkはイーサリアムに比べて3分の1のコストで1秒間に数千のトランザクションを処理する」と説明している。
編集部のコメント
イーサリアムのガスプライスはここ数ヶ月で高騰しており、8月30日時点でのガスプライスは2017年末の仮想通貨バブル時のガスプライスのおよそ2倍の水準になっています。さらにTetherはイーサリアム上でのガス使用量がとても多く、イーサリアム上のDEX(Decentralized Exchange)プロトコルであるUniswapに次いで2番目にガス使用量が多いトークンとなっています。したがって今回のようにセカンドレイヤーでTetherを処理できるようになれば、イーサリアムのメインチェーンでのガスプライス高騰や処理遅延などを抑えられるかもしれません。 またTetherの親会社は暗号資産(仮想通貨)取引所Bitfinex(ビットフィネックス)の運営も行っているため、TetherのOMG Networkへの統合は、BitfinexにおけるTetherの取引費用の削減にも繋がると考えられます。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:iStock/Kateryna-Bereziuk・incohre–)