分散型オラクルネットワークを運営するChainlink(チェインリンク)がオラクルセキュリティプロトコルDECO(デコ)を買収

分散型オラクルネットワークを運営するChainlink(チェインリンク)がオラクルセキュリティプロトコルDECO(デコ)を買収

分散型オラクルネットワークを運営するChainlink(チェインリンク)が、コーネル大学でオラクルセキュリティプロトコルの研究開発をしているプロジェクト「DECO(デコ)」を買収したとDecryptが報じた。なおDECOとはdecentralized oracleの略とのこと。

またChainlinkはDECOの統合を監督するChainlink Labsのチーフサイエンティストとしてコーネル大学教授のAri Juels(アリ・ジュールズ)氏を採用した。そしてChainlinkのDECO買収費用などは明らかになっていない。

DECOを使用すれば、スマートコントラクトにはセキュリティを考量のための個人データ放棄を強制することなく、オラクルを介して送信された機密情報の出所と状態を証明することができるようになるとのことだ。 つまりユーザーのウォレット情報やRedditなどソーシャルメディアのユーザー名を教える必要なく、取引の有無を確認できるとのこと。

Chainlinkの共同設立者であるSergey Nazarov(セルジェイ・ナザロフ)氏は「DECOは公開されているブロックチェーンシステムで利用可能なデータの質と幅を大きく広げることを可能にします。さらにDECOは新しいタイプの担保デザインを生み出しDeFi(分散型金融)発展の役に立てます。請求書の状態や不動産の所有権、その他の保険資産など、実世界の担保には多くのプライベートデータがあります。DECOに対応したChainlinkのオラクルは、公開されたブロックチェーン上にプライベートや個人の所有情報を開示することなく、資産の状態が支払可能であることをスマートコントラクトに証明することができるようになります」とDecryptの取材に答えている。

編集部のコメント

パブリックブロックチェーンに個人情報などを含めた機密情報を公開することなく、取引を行えるようになる仕組みは、現在最も必要とされているものの1つです。Chainlink(チェインリンク)は全てを自分たちで開発することを選ばず、必要なファクターを買収することでうまくビジョンを実現させようとしていると思われます。このように機密情報を秘匿化したまま取引が行えるようになることで、分散型金融(DeFi)はさらに発展していくのではないかと考えられます。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

(images:iStock/your_photo・LuckyStep48)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

SEC、VanEckとWisdomTreeのETF提案に対する審査期間を延長

米証券取引委員会(SEC)が、米証券取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)が提出した暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)の現物ETF(上場投資信託)に関する複数の規則変更提案について、審査期間を延長することを4月14日に発表した。それぞれ現物ETFの発行および償還を可能とする内容が含まれている

【4/15話題】SBCメディカルGHD・ストラテジー・バリューCがビットコイン追加購入、クラーケンが株式とETF取引開始など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

GrayscaleのイーサリアムETFステーキング提案、SECが審査期間を延長

米証券取引委員会(SEC)が、米シカゴの証券取引所NYSEアーカ(NYSE Arca)が提出した「グレースケール・イーサリアム・トラスト(Grayscale Ethereum Trust:ETHE)」および「グレースケール・イーサリアム・ミニ・トラスト(Grayscale Ethereum Mini Trust:ETH)」に関する規則変更提案について、審査期間の延長を決定したと4月14日に発表した