ブラジル中央銀行がCBDC調査のためのワーキンググループを結成
ブラジル中央銀行がオンライン決済の需要拡大を受けて、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行した場合の影響について検討するワーキンググループを結成したことを8月22日に発表した。
同行が発表したプレスリリースによると、このワーキンググループの目的は「サイバーセキュリティ、データ保護、規制などの要因を考慮して最終的なCBDCのモデルを構築すること」そして「CBDCが金融政策の実施に与える影響を分析すること」とされている。
ただし、このワーキンググループが行う研究はCBDCの分析と評価が主目的であり、ブラジルによるCBDCの発行を意味するわけではないとのこと。
ブラジル中央銀行はCBDCの潜在的なメリットとして「紙幣や硬貨の発行・維持コストの削減」と「通貨の保管・使用の簡易化による金融市民権の拡大」が見込めると述べている。
またブラジル中央銀行は今年11月より即時決済システム「Pix(ピックス)」の導入を予定しているため、CBDCが発行された場合の「Pix」との補完的なメリットも併せてこのワーキンググループで検討するとのこと。
編集部のコメント
中国のCBDC発行計画の発表を皮切りに、世界各国でCBDCの調査が始まっています。直近ではフィリピン、イギリス、日本などもCBDC研究グループを創設していることが明らかになっています。
また、ブラジル中央銀行はブロックチェーン技術の導入も進めており、今年4月に規制当局と金融機関の間でシームレスにデータを交換するために使用されるブロックチェーンプラットフォーム「PIER(ピアー)」を立ち上げています。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:iStock/stockdevil・Guzaliia-Filimonova)