米メディアThe Blockが中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関するレポートを公開

米メディアThe Blockが中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関するレポートを公開

アメリカ暗号資産(仮想通貨)メディアThe Blockが中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関するレポート「A Global Look at Central Bank Digital Currencies | Full Research Report」を公開した。このレポートはThe Blockが監査法人KPMGとBlocksetから委託を受けて作成されたとのこと。

このレポートはデジタル資産領域で事業を行なっている人、暗号資産マニアを対象に作成されたとのこと。これまでの中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発状況について、ファクトに基づきグローバルな視点を与えることを目的にしているとのことだ。

リサーチ結果として以下5つの要点がレポートで紹介されている。

1.ほんの一握りの中央銀行しかCBDCを発行することはできないだろう。ただ今後5年以内には、多くの中央銀行がCBDCプロジェクトの具体的な実施に向けて進展していくのは間違いないだろう。実際にいくつかの中央銀行はパイロット版を完了しているか、または開始しようとしている。

2.スウェーデンが行なったリテール向けのCBDCパイロットプロジェクトによって、CBDCプロジェクトの利害関係者たちは社会が技術変化に適応するためには民間市場の参加が必要であることを強く認識したとのこと。さらにCBDCのパイロットプロジェクトを成功させるためには規制のサンドボックス制度が不可欠で、官民の協力が欠かせないだろう。

3.各国の中央銀行が検討しているCBDCは通貨の二層構造の金融システムを選択している。なぜなら中央銀行は通貨を一層構造にして、金融機関の役割を分離することは現実的ではないと考えているから。

4.ある大手中央銀行は、CBDCの匿名性を分散型台帳技術(DLT)の大手企業と共同で検討し、匿名性バウチャーを使用した新しい概念実証(POC)を共同でテストしている。そしてこの実証実験は成功しているとのことだ。

5.民間企業が発行したステーブルコインとCBDCは矛盾するものではなく、設計上の補完関係にある。リテールCBDCに公開鍵暗号方式を活用したトークンが含まれている場合、現在のデジタル資産市場のインフラ(ウォレット、取引所、カストディアン、ステーブルコインプロバイダーなど)が補助的な役割を果たす可能性が高いと考えられる。

編集部のコメント

中央銀行デジタル通貨に関するリサーチは2020年に入って、非常に活発になったと考えられます。それはコロナウイルスによるデジタル化への急展と中国やFacebookのデジタル通貨構想の影響が主だと考えられます。このレポートの結論としてステーブルコインを発行した民間セクターがCBDCの秘密鍵を管理することによって共存できるのではないかという持論は非常に興味深いものです。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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