インドの暗号資産(仮想通貨)取引所WazirXがMatic Network上でDeFiアプリケーションローンチを発表
Binance(バイナンス)傘下のインドの大手暗号資産(仮想通貨)取引所WazirX(ワジールエックス)が、Matic Network(マティックネットワーク)上でDeFiアプリケーションのひとつであるAMM(Autmated Market Maker:自動値付け)プロトコルをローンチし、インドにおけるDeFiエコシステムの形成を目指すことを8月15日に発表した。
Matic NetworkはPlasmaとPoSを使用したイーサリアムのセカンドスケーリングソリューション。サイドチェーン技術であるPlasmaを応用することで、セキュリティを担保しつつ、低ガス料金・高スループットを実現する分散型プラットフォームを提供している。
AMMプロトコルとは、売買注文を必要としないトークン交換プロセスを提供するDeFiアプリケーション。AMMプロトコルではオーダーブックを使うかわりに取引のための流動性プールを作成することで、アルゴリズムに従った分散型のトークン交換を提供する。
今回のプレスリリースによると、WazirXは今後DeFi市場の取引量が増加すると予測しており、DeFiアプリケーションを提供することで将来的に何十億人ものインド人が簡単にDeFiのエコシステムに参加できるようにすることを目指すとのことだ。
またWazirXがDeFiアプリケーションの構築の場としてイーサリアムではなくMatic Networkを採用した理由として、WazirXのCEOであるNischal Shetty(ニッシェル・シェティ)氏が「イーサリアム上での高いガスコストとスケーラビリティは、高速性を提供するMaticを私たちが選択した決定的な要素のひとつです」とCoinDeskの取材に対して回答している。
WazirXのAMMプロトコルのガバナンストークンにはWazirXのネイティブトークンであるWRXが使用される予定としている。これはつまり、機能や価格などのプロトコルの方向性はWRXホルダーによって決定されることになる。
このWazirXのAMMプロトコルのテストネットの立ち上げは今年9月を予定しているとのことだ。
編集部のコメント
WazirXは2017年に設立されたインドを拠点とする暗号資産取引所です。P2Pの自動マッチングシステムを開発することにより、ユーザーの銀行口座を保有することなく、エスクローとして取引の仲介を行っています。2019年11月に大手暗号資産取引所であるBinance(バイナンス)に買収され、今年2月にはバイナンスのプラットフォームであるBinance.comに正式統合されました。今年4月にはバイナンス上でIEOを実施し、全体の10%のトークンを販売しています。
Matic Networkは2017年に設立されたインドを拠点とする企業で、2019年4月にバイナンスローンチパッドにてIEOを実施、今年6月にメインネットのローンチを行っています。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:iStock/antoniokhr・stockdevil・Tuadesk)