5月6月の企業のブロックチェーンへの予算支出が前2ヶ月に比べ63%減少したことがKPMGとHFS Researchのレポートで明らかに
KPMGとHFS Researchの共同レポート「Enterprise reboot」が公開され、企業のブロックチェーン関連事業への支出が3月、4月と比べて5月、6月は63%減少していることを明らかになった。企業の3月、4月のブロックチェーンの平均支出は1,800万ドルだったが5月、6月には650万ドルにまで下がったとのことだ。
このレポート「Enterprise reboot」は、新型コロナウイルスに関連した企業の新興技術戦略の変化について、大企業の技術幹部900人を対象に調査したものだ。
ブロックチェーン分野に関しては支出予定額が、スマートアナリティクス、プロセスオートメーション、ハイブリッド/マルチクラウド、エッジコンピューティング、AIの6つの新興技術と比べて、3月と4月の段階では1位だった。しかし6月にはブロックチェーンは2位となり、7つのテクノロジーの中で最も高い割合で減少したとのことだ。
ただこの調査では今後12ヶ月間はブロックチェーン関連への支出が増加し、削減は短期的なものだと考察している。
編集部のコメント
ブロックチェーンなど新興技術の予算支出が低下した背景には、新型コロナウイルスによって企業経営の優先順位が変更したことが挙げられています。3月、4月の段階では、企業役員の優先順位はコスト削減とブランド価値の向上でした。しかし5月、6月以降、企業の存続に関わる技術などが評価されるようになりました。調査を考察するとブロックチェーンだけでなく全ての新興技術の予算支出割合が低下しているので、レポートにあるように今後は持ち直していくことが予想されます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
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