サークル、Q3総収益17%増の8.65億ドル。ARCトークン先行販売が寄与

サークルが2026年7~9月期決算を発表

米ドル建てステーブルコイン「USDC」を発行する米サークル・インターネット・グループ(Circle Internet Group:以下、サークル)が、2026年第3四半期(7~9月)の決算を11月4日に発表した。

売上高と準備資産収益を合わせた同社の総収益は、前年同期比17%増の8億6,500万ドル(約1,367億円)となった。継続事業の純利益は同5%増の2億2,600万ドル(約357億円)だった。

USDCの期中平均流通量は前年同期比8%増の733億ドル(約11.6兆円)となった。一方、9月末時点の流通量は739億ドル(約11.7兆円)で、前年同期とほぼ同水準だった。また期間中のオンチェーン取引額は同49%増の13兆9,000億ドル(約2,197兆円)だった。なお、オンチェーン取引額は「Visa Onchain Analytics」の調整前データに基づく。

収益の内訳では、準備資産から得る収益が前年同期比8%減の6億5,800万ドル(約1,040億円)となった。USDCの平均流通量は増えたものの、準備資産の運用利回りが前年同期の4.15%から3.54%へ低下したことが影響した。

これに対し、その他収益は同627%増の2億700万ドル(約327億円)となった。このうち1億8,200万ドル(約288億円)は、サークル独自のレイヤー1ブロックチェーン「アーク(Arc)」のトークン「ARC」の先行販売に関して当四半期に計上した収益で、全体の増収に寄与した。

米会計基準(GAAP)上の純利益に一定の調整を加えた非GAAP指標である調整後EBITDAは、前年同期比85%増の3億1,700万ドル(約501億円)となった。ただし、決算説明資料に示されたARCの先行販売収益を除く総収益は6億8,300万ドル(約1,080億円)、調整後EBITDAは1億3,500万ドル(約213億円)で、いずれも前年同期実績を下回った。

事業面では、Arcのパブリックメインネットが9月16日に稼働を開始した。Arcは金融市場や送金などに向けて設計されたブロックチェーンで、ネットワーク手数料の支払いにUSDCを利用する。

また、決済ネットワーク「サークル・ペイメンツ・ネットワーク(Circle Payments Network:CPN)」の年換算取扱高は413億ドル(約6.5兆円)となった。これは9月末時点の直近30日間の取扱ペースが1年間続くと仮定して算出された数値だ。

サークルは9月8日、シンガポールを拠点に企業間の国際送金基盤を提供するタザペイ(Tazapay)の買収契約締結も発表している。買収は規制当局の承認などを条件に、2027年の完了を見込む。

このほか、決算資料の注記では、約5%の人員削減に関連して再編費用914万5,000ドル(約14.5億円)を計上したことも明らかになった。サークルは、組織構造を事業運営モデルと戦略上の優先事項に合わせるための措置と説明している。

サークルは世界の約40の新興国・発展途上国への進出を計画している。同社の共同創業者兼最高経営責任者(CEO)ジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏が「ロイター(Reuters)」の取材で明らかにし、同メディアが10月16日に報じた。アレール氏によると、東南アジア、中南米、アフリカ、中東などでは、個人や企業の間でステーブルコインの需要が高まっているという。

新興国でのUSDC普及に向け、サークルは9月22日に暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)との提携拡大を発表している。両社は5年間の商業契約を結び、バイナンスは1億ドル(約158億円)相当のサークル株式を取得した。

参考:SEC提出の2026年第3四半期決算リリース・Circle公式決算説明資料
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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