シンガポール通貨庁(MAS)がJP Morganのブロックチェーン技術を活用したマルチカレンシー決済ネットワークのプロトタイプテスト完了を発表

シンガポール通貨庁(MAS)がJP Morganのブロックチェーン技術を活用したマルチカレンシー決済ネットワークのプロトタイプテスト完了を発表

シンガポール通貨庁(MAS)がマルチカレンシー決済ネットワークのプロトタイプテストを成功させたことを発表した。このプロトタイプは中央銀行のデジタル通貨(CBDC)に焦点を当てて始まった一連の実証実験「Project Ubin(プロジェクト・ウビン)」の第5段階だ。このプロジェクトは、シンガポール通貨庁、JPMorgan、Accentureで行われた。

JPMorganの役割はJPMコインの技術と銀行間情報ネットワーク(Interbank Information Network)のメッセージングを組み合わせて決済ネットワークを構築すること。またアクセンチュアの役割は、このネットワークを具体的なユースケースにどのように活用できるかを検討すること。

このテストの最終段階では、中央銀行または商業銀行が発行する複数の不換通貨が同じ決済ネットワーク上に存在することを可能にしたとのこと。

Project Ubinの目的は、国境を越えた支払いを含むより高速で安価な取引の可能性を実証することだ。つまり支払いに関連するビジネストランザクションのコストを削減することを目指している。ただトランザクションコストを削減するだけでなく、それにより管理者が背負う不払いのリスクなどを抹消できることも検討された。

シンガポール通貨庁のCFO(チーフ・フィンテック・オフィサー)であるSopnendu Mohanty(ソプネンドゥ・モハンティー)氏は、「すべてのイノベーションの適用と同様に、必ず実証実験のための時間を確保する必要があり、さらに商業化するための時間が必要です。Project Ubinは金融業界やブロックチェーンコミュニティと協力して、実験、プロトタイピング、学習のプロセスを経てきました。これにより知識、専門知識、経験の強固な基盤が構築され、商業的な採用への道が開かれました」とコメントしている。

Temasekの副CEOであるChia Song Hwee氏は「Project Ubinの第5段階では、資本市場や貿易金融を超えて業界全体でブロックチェーン技術の商業的な適用可能性、実行可能性、メリットを実証しました」とコメントしている。

編集部のコメント

Project-Ubin-Phase-5のリリースペーパーによると、ユースケースはプライベートエクイティ、債券発行、サプライチェーンのデジタル化、メディア広告、健康保険、給与支払などが挙げられています。Project Ubinが最終段階である第五段階のテストが終了したということで、あとはローンチ準備ということになります。どのようにグローバルビジネスに影響を与えていくのか、非常に楽しみです。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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