フランスの製薬会社Transgene(トランスジーン)が臨床試験にブロックチェーンを活用

フランスの製薬会社Transgene(トランスジーン)が臨床試験にブロックチェーンを活用

フランスの製薬会社Transgene(トランスジーン)がブロックチェーンサプライチェーンのトレーサビリティプラットフォーム「Hypertrust X-Chain(ハイパートラストエックスチェーン)」を臨床試験プロジェクト「myvac(マイヴァク」に組み込んだことを発表

Hypertrust X-Chainは、フランスのブロックチェーン開発企業Hypertrust Patient Data Care(ハイパートラスト・ペイシャント・データケアー)が開発したプロダクト。Hypertrust X-Chainは患者起点のデータのクローズドループ供給と分散型データチェーンを確保するブロックチェーンベースのソリューションを自己細胞治療に提供するとのこと。そしてHypertrust X-Chainは、自己免疫細胞治療のサプライチェーン全体にわたって、安全で効率的かつ透明性の高いワークフローのオーケストレーションを可能にし、製薬会社をはじめサプライチェーンおよびデータチェーンに関わるすべての関係者に大きなメリットをもたらしていくとのこと。またmyvacはウイルスベクター(MVA)をベースに開発された個別化免疫療法プラットフォームだ。

Transgene社のエグゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・サイエンティフィック・オフィサーである Eric Quéméneur(エリック・ケムヌール)氏は「Hypertrust X-Chainは世界中で複数の協力体制を整えながら、患者さん一人一人の抗がん剤治療をタイムリーに設計することができます。ブロックチェーン技術は患者さんの遺伝子データを確実に保護しながら、パートナーの介入をスムーズに、かつ追跡できるようにするための完璧なツールです。Hypertrust社と協力してこの斬新なプロセスを立ち上げることができたことを大変嬉しく思います」とコメントしている。

Hypertrust Patient Data CareのCEOのAndreas Göbel(アンドレアス・ゴベル)氏は「当社のパートナーであるTransgene社と世界初の生産性の高いブロックチェーンを発表できることを非常に誇りに思います。Transgeneの革新的でAI強化されたTG4050がんワクチンと、セキュリティおよびワークフローオーケストレーション機能を組み合わせた当社のプラットフォームは、個別性の高いがん治療プロセスを最適にサポートします」とコメントしている。

編集部のコメント

Transgene社は、がん治療のための標的免疫療法の設計と開発に焦点を当てたフランスの上場企業です。今回の臨床実験で利用されたHypertrust X chainの最も大きな特徴は、製薬の出荷のスケジュールを立て、プロジェクトがどの段階にあるかをサプライチェーンのパートナーに通知する自動化されたプロセスなどが組み込まれているところのようです。医療領域は患者のデータを正しく堅牢に管理しながら、早急でかつミスがない診療・執務プロセスが重要なので、ブロックチェーン技術と相性の良い分野です。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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