G20がデジタル通貨を事実上容認し10月には規制論議が本格化か

G20がデジタル通貨を事実上容認し10月には規制論議が本格化か

G20(20カ国・地域)が現金に代わる決済手段としてデジタル通貨を事実上容認する方向で調整に入り、マネーロンダリング防止(AML)などの規制論議を10月に本格化する見通しであることを7月11日共同通信が報じた。

共同通信によるとこの情報は複数のG20関係者が明らかにしたものとのこと。

これまで米国をはじめとする主要国政府は米Facebook(フェイスブック)が計画するデジタル通貨「Libra(リブラ)」の影響力を懸念し、民間の動きに対してけん制をしてきたが、各国中央銀行の中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入計画が加速してきたため方針を転換するという。

また中国政府によるデジタル人民元(DCEP)の試験運用を受け、デジタル通貨に対して慎重姿勢だった米国も検討を始めたことでG20も対応を迫られ、デジタル通貨容認への動きに至ったとのことだ。

編集部のコメント

G20は、G7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)の7か国に、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、欧州連合・欧州中央銀行を加えた20か国・地域のことです。

なお日本のデジタル通貨への動きとして、7月2日に日本銀行がレポート「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」を公開しています。日銀はこのレポートで、今後実証実験を通してデジタル通貨の技術的な実現可能性について検討を進める方針を発表しています。

また6月18日には、カンボジアの中央銀行にあたるカンボジア国立銀行は、同行が2017年から取り組んできたブロックチェーンを基盤とした決済システム「プロジェクト・バコン(Project Bakong)」のホワイトペーパーを発表しています。バコンは日本のブロックチェーン企業ソラミツが「ハイパーレジャー・いろは(Hyperledger Iroha)」を利用し開発を行っています。なおバコンのローンチはホワイトペーパーによると2020年前半を予定しています。

コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:iStock/Guzaliia-Filimonova・bagotaj)

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