SBIホールディングスがブロックチェーンをはじめとするフィンテック技術等への投資のために新株予約権付社債を発行
SBIホールディングス株式会社が、2025年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(転換社債)を発行することを7月7日に発表した。
この転換社債の発行は、SBIグループが取り組むブロックチェーンをはじめとするフィンテック分野などの事業戦略の推進によるグループ全体の収益力強化のために資金調達を行うことを目的としたものとのこと。
転換社債とは、発行会社の株式に転換することができる債券を指す。転換できる株式の数量はあらかじめ決められているため、転換社債購入後に株価が上昇すれば、市場価格よりも割安で株式を手に入れることができる。さらに、転換社債購入後に株価が下落した場合でも、債券を株式に転換せずに保有し続ければ、通常の債券と同様に額面金額を満期に受け取ることができる。そのため債券の最低価格は保証される仕組みである。
今回発行される転換社債は、クーポン(利回り)がゼロで、販売金額が額面金額よりも高く設定されているため、発行会社は低コストで安定した資金調達を行うことができるとのこと。
リリースによると調達した資金は、これまでの事業への手当てによって生じた自己資金の減少分を充当するために使用され、その残額が事業戦略の推進のための投資に充てられるとのことだ。
同社は事業戦略としてブロックチェーン・AIなどのフィンテック分野への投資や地方創生への寄与、ネオバンク構想の推進などを挙げており、これらの事業を通じて従来の金融サービスにない利便性や公益性を追求した事業の創出を目指すとのことだ。
編集部のコメント
SBIホールディングスは証券や銀行などの金融商品やサービスを提供する金融サービス事業、ITやバイオ関連企業への投資等を行うアセットマネジメント事業、医療品や化粧品の研究開発を行うバイオ関連事業の3つの事業を中心的に行っています。
またSBIグループのその他の事業として、フィンテック事業領域への投資を目的として設立した「FinTechファンド」や、AIやブロックチェーン分野を中心とした有望なベンチャー企業への投資を行うために設立した「SBI AI&Blockchainファンド」等があり、また最近ではヘルスケア、インフラ、食品・農業等の幅広い産業における革新的な技術・サービス領域など、新たな成長産業への投資を行う新ファンドの組成や地方創生に貢献するための地方創生パートナーズ株式会社の設立に向けて動いています。
同社の最近の暗号資産(仮想通貨)関連事業のニュースとしては、6月に行われた日本初の暗号資産ファンドの設立計画の発表や、今月2日に行われた暗号資産マーケットメイカー事業を行うイギリスのB2C2社への3,000万ドル(約32億円)の出資などがあります。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:iStock/BadBrother・Panuwat-Sikham)