中国でバイドゥやテンセントなどが参加する分散型アイデンティティ・アライアンスが発足
中国造幣公社の子会社である杭州ブロックチェーン研究所とデジタルセキュリティシステムの開発を行う飛天誠信(フェイティアン・テクノロジーズ)が、分散型アイデンティティ・アライアンスを共同で立ち上げたことを6月24日に発表した。
分散型アイデンティティ(DID)とはデジタルアイデンティティのひとつで、ブロックチェーン技術を利用して自分のアカウントに紐づく個人情報を自分で管理するような方法を指す。この場合、企業側には最低限の情報しか渡らず、さらにブロックチェーン技術を用いてデータが管理されているため、第三者による偽造や改ざんなどが起きづらい。
同アライアンスにはバイドゥ、テンセントクラウド、JD.com、ユニオンペイなどのインターネット大手企業や金融大手企業を含む17社が参加している。
なお同アライアンスは主に以下の4つの指針を掲げている。
(1)DIDの現状と潜在的な利点について調査を行う
(2)産業間でDIDの連携できるようなアプリケーションを研究する
(3)中国国内にオープンソース技術を用いたDIDネットワークを構築する
(4)国際標準規格を採用し、DIDのグローバルな連携を実現する
編集部のコメント
昨日の韓国での運転免許証のデジタル化のニュースに続き、中国でもIDのデジタル化と分散化の動きが加速しています。GoogleアカウントやFacebookアカウントなどのような、企業による個人のアカウントの集中管理は、ネット上でのスムーズな手続きを可能にするため一見便利ですが、情報漏洩や行動履歴の覗き見など多くの問題を抱えています。ブロックチェーン技術の発展により、中央管理者を必要としないデータ管理が可能になったため、DIDのような個人重視のシステムは今後の個人情報管理方法の標準になっていくと考えられます。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:iStock/pgraphis・NatanaelGinting・BestForBest)