リップルがグローバルアライアンス「Open Payments Coalition」の結成とユニバーサルな送金ID「PayID」を発表
米Ripple(リップル)社が、グローバルアライアンス「Open Payments Coalition」の結成と、同アライアンスの最初の取り組みであるユニバーサルな送金ID「PayID」を6月19日に発表した。
「Open Payments Coalition」では、送金分野における独自規格やサイロ化した現状を打破すべく、デジタル決済の採用を加速させて、今日の世界中の送金方法を変革することを目指しているとのこと。
「Open Payments Coalition」はリップル社の主導によって結成されており、創設メンバーにはBitPay、Brave、Flutterwave、Huobi、Mercy Corpsなど40以上のグローバル企業と非営利団体が参加をしている。なお日本からはリキッドグループ株式会社が同アライアンスに参加をしている。
また「Open Payments Coalition」の結成と同時に発表された「PayID」は、あらゆる送金ネットワークと通貨に対応し、グローバルな送受金プロセスをシンプルにするオープンソースかつ無償の送金IDで、従来のクローズドな送金ネットワークを統合し、送金における最大の課題を解決する初のグローバル統一規格となっているとのことだ。
「PayID」では銀行口座、銀行支店コード、クレジットカード番号などよりも、認識しやすいIDを使用し、あらゆる送金ネットワークでの送受金を可能にするという。「PayID」により利用するプロバイダーを問わず、家族や友人にメールを送るのと同じように簡単に送金が可能になるとのこと。
「PayID」は大手金融機関、グローバルな非営利団体、配車アプリやネオバンクなど、あらゆる業種、業界での利用を想定して開発されているとのこと。また米FinCEN(金融犯罪捜査網)の要件とFATF(金融活動作業部会)の勧告の両方を満たすため、包括的なトラベルルールに準拠するソリューションも提供しているということだ。
編集部のコメント
米リップル社の吉川恵美氏は、自身のTwitterにて『PayIDとは「送金のためのユニバーサルID」です。PayIDは、Emailにおいて【user@domain.com】という標準化されたアドレスがあるように、送金の世界でも【user$domain.com】といった標準アドレスが必要、という発想から誕生しました。これは価値のインターネットに向けた重要なステップです。現在、銀行の口座番号、クレジットカードの番号、クリプトのアドレスなどはそれぞれのネットワーク固有の複雑なアドレスがありますが、それを標準化するレイヤーをPayIDが提供します。これは完全にオープンソースの取り組みで、どの企業でも開発者でも活用できます』とPayIDについて説明をしています。
なお「Open Payments Coalition」の創設メンバーは以下の通りです。
BitBNS、BitGo、BitPay、Bitrue、Bitso、Bitstamp、Blockchain.com、Brave、BRD、BTC Markets、CARE、CipherTrace、Coil、CoinField、Coinme、Coinone、Coins.ph、Crypto.com、DeeMoney、Dharma、Dwolla、FlashFX、Flutterwave、Forte、GateHub、GiveDirectly、The Giving Block、globaliD、GoPay、Huobi、Independent Reserve、Liquid、Mercury FX、Mercy Corps、ModusBox、PolySign、Standard Chartered Ventures、Sygnum、Tangem、TRISA、Unstoppable Domains、Uphold、Wyre、XUMM
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock/antoniokhr)