アメリカ空軍がサプライチェーンネットワーク構築のためブロックチェーン企業「SIMBA」に150万ドルの資金提供の契約締結
米サウスベンドに拠点を置くSIMBA Chain(シンバ・チェーン)が、アメリカ空軍から2年間150万ドルの提供を受ける契約を締結させたことがメディアINSIDE INDIANA BUSINESSによって明らかになった。
この資金はアメリカ空軍のロジスティクスとサプライチェーン管理を強化するためのサイバー関連機能の開発方法を特定するのに役立つブロックチェーンベースのサプライチェーンネットワーク構築のために利用されるとのこと。また新たな契約ではSIMBA Chainの航空会社Boeing(ボーイング)を招き、Boeingの部品を使用した具体的なユースケースを開発するとのこと。
SIMBA Chainの最高経営責任者であるJoel Neidig(ジョエル・ニーディグ)氏は「SIMBA Chainの契約型サービスプラットフォーム(Contract -as-a-service platform)は、偽造やデータ漏洩のリスクを軽減しながら、アメリカ空軍が必要なデータを途切れることのないサプライチェーンサポートを提供する能力を強化するのに役立つでしょう」とコメントをしている。
さらにJoel Neidig(ジョエル・ニーディグ)氏は「最小限の内部研修で、当社のソリューションは空軍や他の軍の支部に迅速に展開することができます。SIMBA Chainは深い技術的知識を必要とする従来のブロックチェーンとは異なり、プログラミングの経験がほとんど、あるいは全くない開発者でも、クラウドサーバーや軍事インフラ上に分散型アプリケーションを迅速かつコスト効率よく構築して展開することができます。これは動的なデータ共有が一般的な軍にとって大きなメリットとなります」とコメントをしている。
編集部のコメント
SIMBA Chainは、2017年に国防高等研究計画局(DARPA)がノートルダム大学研究コンピューティングセンターとアメリカの大手テクノロジープロバイダーITAMCO(イタムコ)からの助成金を授与された結果、米軍向けの安全でハッキングされないメッセージングとトランザクションプラットフォームを開発するために設立された企業です。
今回のアメリカ空軍とSIMBA Chainの契約はSBIRフェーズIプロジェクトの継続的なもので、SBIRフェーズⅱと称されています。SBIRとは、アメリカ空軍のSmall Business Innovation Researchの略です。 2020年1月に、SIMBA Chainはシードラウンドで150万ドルの資金調達を終えています。
同ラウンドに参加した投資家は、ノートルダム大学のPit Road Fund(ピットロード・ファンド)、Elevate Ventures(エレベイト・ベンチャーズ)、First Source Capital(ファースト・ソース・キャピタル)個人のエンジェル投資家とのことです。
SIMBA Chainはアメリカ空軍、投資家などから資金を集めている稀有なスタートアップで、注目すべきではないかと思われます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock/stockdevil・antoniokhr)