中国の浙商銀行がブロックチェーン上の債権を担保に約18億3,400万円の債券を発行
中国の浙商銀行(Zheshang Bank)がサプライチェーン・ファイナンス・ブロックチェーン上の債権を担保にして1億2,000万元(約18億3,400万円)の資産担保型債券(asset backed commercial paper/ABCP)を発行したことをLedger insightsが報じた。
ABCPは中国銀行間市場商会の承認を受けた新しい金融商品だ。ABCPはかつてから発行されていた資産担保証券(ABS)の複数の概念を融合させて作られた金融商品で、短期債券であることから、特に貿易金融に適しているとのこと。
発行されたABCPは満期6ヶ月で、1億2,000万元(約18億3,400万円)とのこと。
浙商銀行(Zheshang Bank)のShen Bin(シェン・ビン)氏は「ABCPの商品特性と実体経済と中小企業にサービスを提供するというコンセプトは、長年に渡って探求してきた浙商銀行のサプライチェーンファイナンスの革新と既存のサプライチェーンをサポートするという実践的なユースケースと非常にマッチしている」中国銀行保険新聞にコメントしている。
編集部のコメント
浙商銀行(Zheshang Bank)は2年前にもブロックチェーン上でトレードファイナンスの債権を担保に6,800万ドルの債券を発行しています。
そして今回の浙商銀行(Zheshang Bank)の取り組みは、ABCPに関する5つのパイロットプロジェクトのうちの1つで、総額は33億2,400万元(約507億7,910万円)ほど債券を発行すると予想されているとのことです。全ての金融商品にブロックチェーンを適用するわけではないですが、そのほかのテクノロジーも駆使されていくでしょう。
グローバルでブロックチェーン上の債権を担保に債券発行が行われています。それらにはインドのYES BANK、欧州投資銀行、国際決済機関であるユーロクリア、スペインのサンタンデール銀行、EY(アーンスト・アンド・ヤング)などが関わっています。
コスト削減の観点から今後もブロックチェーン上の債権を担保にした債券発行の事例はに増えていくと考えられます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock /Andrey-Suslov・NatanaelGinting)